(2020年2月2日作成)
京都から大阪や神戸を経由して鳥取・倉吉を結ぶ特急「スーパーはくと」。
振り子式でカーブの多い路線を疾走し、大阪と鳥取を約2時間半、京都と倉吉を約3時間半で結びます。
車両も鳥取への旅情を誘うような内装にリニューアルされて快適に利用できます。
ここでは特急スーパーはくとの車両や車内、座席や設備、お得なきっぷやバス・飛行機との比較など解説していきます。
特急スーパーはくとの車両と編成
特急スーパーはくとの使用車両
HOT7000系気動車で運行されています。
智頭急行が所有する車両で制御式振り子機能が備わっています。
1994年に智頭急行智頭線の開業により「スーパーはくと」で運行を開始しました。
2008年に全列車リニューアル・全車禁煙になり、飲料の自動販売機が設置されるようになりました。
また、展望車以外の各車両の案内表示付近にはテレビモニターが設置され、走行中の映像が映るようになっています。




スーパーはくとの編成
特急「スーパーはくと」の編成です
基本的に5両編成で運行されますが、多客期は6両編成になります。

(JRおでかけネットより)
スーパーはくとの座席表です。
1号車の先頭部は編成により変わることがあります。

(智頭急行HPより)
特急スーパーはくとの車内と座席
スーパーはくと
グリーン車
グリーン車は4号車の京都より半室にあります。
2+1列の3列シートです。

各席に大きめの折りたたみテーブルとフットレストが設置されています。


窓側の座席にはコンセントが設置されています。
一人席のコンセントは黒色で少しわかりにくいですが、ちゃんとついています。


普通車(自由席・指定席)
普通車は床に鳥取砂丘の風紋柄がイメージされています。
座席も風紋柄で、鳥取を想いながら旅することができます。

座席の背面は木目調になっています。
テーブルも木目調になっています。
ご飯を食べるときや、テーブルでパソコン仕事をするときもほっこりする温かみのあるテーブルです。


3号車には一人掛けの座席もあります。


布製のドリンクホルダーと小物入れが前についています。
また窓側にはコンセントがあります。

座席カバーには「鳥取砂丘」「三徳山投入堂」「石谷家住宅」「宮本武蔵生誕地」「西はりま天文台」の柄がランダムにセットされています。


1号車、5号車の運転席後ろの席は窓越しに前面展望が楽しめます。

一部列車の5号車は運転席の前面展望は楽しめませんが、2人用のコンパートメントになっている車両があります。
半個室のように使えて快適です。
自由席なので早い者勝ちです。

お手洗い、トイレ
スーパーはくとのお手洗いは、2、3、4号車にあります。
便座はすべてウォシュレットです。
3号車のお手洗いは多目的お手洗いです。

おむつ交換台やベビーキープも設置されています。


その他の号車のお手洗いも便座はウォシュレットで快適です。

洗面台
リニューアルされた洗面台にはやきものが使われています。


荷物置き
1号車と5号車のデッキには荷物置き場あります。
大型でキャリーケースも収納できます

モニターや扉にもこだわりが
扉には鳥取特産の因州和紙が使われています。

各車両にはモニターが設置されています。
運転席に設置されたカメラからの映像が映し出されます。


特急スーパーはくとのおすすめ座席
スーパーはくとは
上郡~鳥取間は山の中を走ります。
智頭急行線内はトンネルばかりなので車窓は期待できません。
用瀬付近では千代川が見えます。
また神戸の須磨付近では明石海峡大橋が見えます。
これらの景色は「C席」、「D席」でみることができます。
(自由席1号車はA席、B席」
スーパーはくとには飲み物の自動販売機がある
特急スーパーはくとには1号車に飲み物の自動販売機があります。
お茶、コーヒー、ジュース等の飲み物が買えます。
その他の車内販売はないので駅で買っておきましょう。
特急スーパーはくとの停車駅、所要時間
特急スーパーはくとは下記の駅に停車します。
京都駅 =新大阪駅 = 大阪駅 = 三ノ宮駅 = (神戸駅) = 明石駅 = (西明石駅) = (加古川駅) = 姫路駅 = 上郡駅 = 佐用駅 = 大原駅 = 智頭駅 = 郡家駅 = 鳥取駅 = 倉吉駅
(カッコはごく一部の列車が停車します)

所要時間は下記の通りです。
鳥取 | 倉吉 | 智頭 | 大原 | |
京都 | 2時間57分~
3時間7分 |
3時間25分~
3時間40分 |
2時間28分~
2時間38分 |
2時間12分~
2時間22分 |
大阪 | 2時間27分~
2時間36分 |
2時間56分~
3時間7分 |
1時間58分~
2時間7分 |
1時間42分~
1時間51分 |
三ノ宮 | 2時間9分~
2時間15分 |
2時間36分~
2時間47分 |
1時間40分~
1時間46分 |
1時間24分~
1時間30分 |
東京 | 4時間52分~
5時間9分 |
5時間30分~
5時間43分 |
4時間23分~
4時間39分 |
4時間7分~
4時間19分 |
(東京~姫路間は新幹線のぞみ号を利用)
スーパーはくとは京都~鳥取までは7往復
鳥取~倉吉は倉吉行は6本、倉吉からは5本が運行されています。
時刻は鳥取駅基準で6時台〜18時台までおおむね2時間に1本。
京都駅基準で7時台から19時台までおおむね2~3時間に1本で運行しています。
特急スーパーはくとの運賃、料金等
通常の運賃、料金
鳥取 | 倉吉 | 智頭 | 大原 | |
京都 | 8,120円
7,690円 |
9,110円
8,680円 |
7,460円
7,030円 |
7,020円
6,590円 |
大阪 | 7,020円
6,590円 |
7,790円
7,360円 |
6,350円
5,920円 |
5,910円
5,480円 |
三ノ宮 | 6,350円
5,920円 |
7,460円
7,030円 |
5,070円
4,640円 |
4,630円
4,200円 |
東京 | 19,200円
18,080円 |
19,860円
18,740円 |
18,650円
17,530円 |
18,210円
17,090円 |
(上段:指定席、下段:自由席、特急料金はすべて通常期、東京~姫路間はのぞみ号を利用)
スーパーはくとに安く乗るための割引きっぷ
特急スーパーはくとに利用できる割引きっぷは次のものがあります。
・京阪神往復割引きっぷ
・eきっぷ
・東京往復割引きっぷ
・新幹線の乗り継ぎ割引
割引きっぷの比較表
鳥取 – 大阪 | 鳥取 – 三ノ宮 | |
通常料金 | 7,020円 | 6,350円 |
京阪神往復割引きっぷ | 5,655円(片道分) | 5,235円(片道分) |
eきっぷ | 6,590円 | 5,920円 |
鳥取 – 東京 | 倉吉 – 東京 | |
通常料金 | 19,200円 | 19,860円 |
東京往復割引きっぷ | 17,080円(片道分) | 17,395円(片道分) |
京阪神往復割引きっぷ
京阪神往復割引きっぷは、JR西日本が販売している、特急スーパーはくとに利用できる往復きっぷです。
有効期間は4日間です。
特急スーパーはくとの普通車指定席を利用できます。
鳥取駅、倉吉駅、郡家駅、智頭駅、鳥取大学前駅、米子駅、みどりの窓口などで販売しています。
鳥取 – 三ノ宮 | 10,470円 |
鳥取 – 大阪・新大阪 | 11,310円 |
鳥取 – 京都 | 13,620円 |
倉吉 – 三ノ宮 | 12,360円 |
倉吉 – 大阪・新大阪 | 12,780円 |
倉吉 – 京都市内 | 15,720円 |
eきっぷ
eきっぷは、インターネット予約サービス「e5489」の会員向けに発売されている特急券です。
「e5489」の登録は無料ですが、eきっぷを購入するには「J-WESTカード」が必要です。
・きっぷの受け取りはJR西日本の主要駅やJR四国、JR九州の「みどりの窓口」、「みどりの券売機」、「指定席券売機」で受け取れます。
次の値段は指定席の乗車券込みの価格(片道)です。すべて430円引きになります。
鳥取 – 三ノ宮 | 5,920円 |
鳥取 – 大阪 | 6,590円 |
鳥取 – 京都 | 7,690円 |
倉吉 – 三ノ宮 | 7,030円 |
倉吉 – 大阪 | 7,360円 |
倉吉 – 京都 | 8,680円 |
東京往復割引きっぷ
東京往復割引きっぷはJR西日本が販売している往復きっぷです。
有効期間は10日間です。
特急スーパーはくと 普通車指定席 + 新幹線 普通車指定席
または
スーパーいなば12・1号指定席 + サンライズ瀬戸・出雲号B寝台1人用個室(ソロ)
が利用できます。
鳥取駅、倉吉駅、郡家駅、智頭駅、鳥取大学前駅、米子駅、みどりの窓口などで販売しています。
鳥取 – 東京都区内 | 34,160円 |
倉吉 – 東京都区内 | 34,790円 |
新幹線の乗り継ぎ割引
新幹線と特急スーパーはくとを新大阪または姫路で乗り継いで利用する場合、「乗り継ぎ割引」が適用されます。
つまり、スーパーはくとのJR部分の特急料金が半額になるのですが、新幹線とスーパーはくとの特急券を同時に購入する必要があります。
名古屋、東京方面から鳥取方面へ向かう方は、新幹線との乗り継ぎ割引を利用しましょう。
特急スーパーはくとと競合する交通機関との比較
特急スーパーはくとと同じ区間を運行する高速バスは鳥取・倉吉~大阪線、鳥取・倉吉~神戸線、鳥取~京都線、米子・倉吉・鳥取~東京線があります。
大阪・神戸・京都~鳥取・倉吉ならびに東京~鳥取・倉吉の交通機関の比較を表にまとめました。
大阪~鳥取・倉吉の各交通機関の比較
大阪~鳥取 | 新大阪~倉吉 | |
JR | 5,655円~7,020円
約2時間30分 7往復 |
6,390円~7,790円
約3時間 5.5往復 |
高速バス | 3,417円~3,800円
約2時間50分 5往復 |
3,967円~4,400円
約3時間45分 3往復 |
三ノ宮~鳥取・倉吉の各交通機関の比較
三ノ宮~鳥取 | 三ノ宮~倉吉 | |
JR | 5,235円~6,350円
約2時間10分 7往復 |
6,180円~7,460円
約2時間40分 5.5往復 |
高速バス | 3,133円~3,500円
約2時間40分 (6往復) |
3,783円~4,200円
約3時間30分 (2往復) |
京都~鳥取の各交通機関の比較
京都~鳥取 | 京都~倉吉 | |
JR | 6,810円~8,120円
約3時間 7往復 |
7,860円~9,110円
約3時間30分 5.5往復 |
高速バス | 3,662円~4,070円
約3時間30分 3往復 |
なし |
東京~鳥取の各交通機関の比較
東京・品川~鳥取 | 東京・品川~倉吉 | |
JR(のぞみ+スーパーはくと) | 17,080円~19,200円
約5時間 7往復 |
17,395円~19,860円
約5時間30分 5.5往復 |
高速バス (夜行) | 10,700円
約9時間55分~10時間 1往復 |
11,200円
約11時間05分~11時間10分 1往復 |
飛行機(ANA) | 10,740円~29,340円
約3時間20分~4時間 5往復 |
11,490円~30,090円
約3時間50分~4時間30分 5往復 |
各交通機関の解説
鳥取~大阪・神戸線
鳥取~大阪・神戸線は日本交通が運行する高速バスです。
所要時間は次の通りです。
大阪梅田(阪急三番街)~鳥取駅前:約2時間53分
三宮バスターミナル~鳥取駅前:約2時間41分~3時間06分
ほかにもなんば(OCAT)や弁天町、USJから発着する便もあります。
運行本数は次の通りです。
大阪梅田(阪急三番街)~鳥取駅前:1日5往復(OCATからは15往復)
三宮バスターミナル~鳥取駅前:1日7往復(夜行1往復)
運賃は次の通りです。
大阪梅田・OCAT~鳥取駅前:3,800円
回数乗車券(6回利用、3か月有効)で20,500円(3,417円/回)まで安くなります。
三宮バスターミナル~鳥取駅前:3,500円
回数乗車券(6回利用、3か月有効)で18,800円(3,133円/回)まで安くなります。
時刻表などは次のページをご覧ください
倉吉~大阪・神戸線
倉吉~大阪・神戸線は日本交通が運行する高速バスです。
所要時間は次の通りです。
新大阪~倉吉駅前:約3時間45分
三宮バスターミナル~倉吉駅前:約3時間30分
ほかにもなんば(OCAT)や弁天町から発着する便もあります。
運行本数は次の通りです。
新大阪~倉吉駅前:1日3往復(OCATからは6往復)
三宮バスターミナル~倉吉駅前:1日2往復
運賃は次の通りです。
新大阪~倉吉駅前:4,400円
回数乗車券(6回利用、3か月有効)で23,800円(3,967円/回)まで安くなります。
三宮バスターミナル~倉吉駅前:4,200円
回数乗車券(6回利用、3か月有効)で22,700円(3,783円/回)まで安くなります。
時刻表などは次のページをご覧ください
鳥取~京都線
鳥取~京都線は日本交通と西日本ジェイアールバスが共同運行する高速バスです。
所要時間と運行本数は次の通りです。
所要時間:京都駅烏丸口~鳥取駅前:約3時間26分~3時間31分
運行本数は1日3往復です
運賃は京都駅烏丸口~京都駅で4,070円です。
往復乗車券で7,330円(有効10日間、片道3,665円)、回数乗車券(4回利用)で14,650円(有効3か月、3,663円/回)まで安くなります。
時刻表などは次のページをご覧ください
鳥取・倉吉~東京線
鳥取・倉吉~東京線は日本交通が運行する高速バスです。
夜行便で運航しています。
所要時間は次の通りです。
品川バスターミナル~鳥取駅前:約9時間55分~10時間
品川バスターミナル~倉吉駅前:約11時間05分~11時間10分
このほかにも浜松町バスターミナル、渋谷マークシティにも停車します。
運行本数は1日1往復です。
運賃は次の通りです。
品川バスターミナル~鳥取駅前:10,700円
品川バスターミナル~倉吉駅前:11,200円
(浜松町バスターミナル、渋谷マークシティも同一料金)
時刻表などは次のページをご覧ください。
飛行機(ANA)
航空機は羽田空港から鳥取空港まで就航しています。
ANAが就航しています。
運行本数:1日5往復
所要時間は次の通りです。
羽田空港~鳥取空港:約1時間20分
東京駅~鳥取駅:約3時間20分~4時間00分(リムジンバスの時間を含む)
運賃は下記の通りです。
このほかにJR、京浜急行、リムジンバス運賃が必要です。
(JR、京浜急行 東京駅~羽田空港:580円)
(鳥取空港~鳥取駅(約20分):470円、鳥取空港~倉吉駅(約50分):1,220円)
運賃 | ANA |
通常運賃 | 28,290円 |
バリュー3(ANA) | 23,290円 |
スーパーバリュー28(ANA) | 13,690円~18,490円 |
スーパーバリュー55(ANA) | 9,690円~16,390円 |
鳥取砂丘コナン空港のフライト情報(リンク)
スーパーはくとにも乗れる宿泊も一緒ならさらにお得なJRセットプラン
特急スーパーはくとから乗り換えられる列車
京都駅
特急「サンダーバード」、特急「きのさき」、特急「まいづる」、特急「はしだて」、新快速、みやこ路快速
近鉄特急
新大阪駅
関空特急「はるか」、特急「くろしお」、特急「サンダーバード」、新快速
大阪駅
特急「サンダーバード」、特急「こうのとり」、新快速、丹波路快速、大和路快速、関空快速、紀州路快速
三ノ宮駅
明石駅
姫路駅
上郡駅
特急「スーパーいなば」
鳥取駅、倉吉駅
特急「スーパーまつかぜ」、特急「スーパーおき」、観光列車「あめつち」
特急スーパーはくととは
特急「スーパーはくと」は現在は京都~鳥取・倉吉を運行しています。
1994年(平成6年)の智頭急行開業時から運転を開始しました。
スーパーはくとの列車名の由来は「因幡の白兎(いなばのしろうさぎ)」の「白兎」の音読み、「はくと」です。ちなみに公募で決定されたそうです。
「はくと」という列車名は、1956年(昭和31年)から京都~松江間で運航していた準急「白兎」が最初です。
1986年(昭和61年)に特急「あさしお」に統合され、「はくと」の名称はいったん消滅しています。
運行当初はHOT7000系で運行している列車を「スーパーはくと」と呼び、キハ181系で運行する列車は「はくと」と呼んでいました。
1997年(平成9年)のHOT7000系の増備とともにキハ181系の運行は終了し、「スーパーはくと」のみが残ります。
また、この年からグリーン車の連結が始まっています。
2003年(平成15年)には7往復体制となり現在に至ります。
特急スーパーはくとの関連商品
まとめ
・特急スーパーはくとは京阪神と鳥取を結ぶ特急列車
・HOT7000系で運行されている
・窓際にはコンセントがついている
・飲み物の自動販売機が設置されていている
・連結部近くにテレビモニターが設置されていて、走行中の映像を見られる
最後までお読みいただきありがとうございました。