(2021年5月24日更新)
春から秋の週末を中心に山口線を走行する快速SLやまぐちを解説します。
新山口から野山や出粘地帯を駆け抜け、小京都津和野まで運行します。
SLがけん引するだけではなく、SLが運行していた時代を体験できる仕掛けが満載です。
快速SLやまぐちの車両、座席、車内設備、お手洗いなどを解説します。
2021年は3月~9月に「DLやまぐち」として運行します。
SLの代わりにDD51がけん引する列車になります。
快速SLやまぐちの車両と編成
使用車両
2021年は3月~9月に「DLやまぐち」として運行します。
SLの代わりにDD51がけん引する列車になります。
SLやまぐち号の機関車はC57 1号機とD51 200号機の2機のいずれか、もしくは重連で運行します。
客車は2017年(平成29年)に新製された35系4000番台客車で運行しています。
C57 1
C57 1号機は1937年(昭和12年)に製造されました。
急行などの優等列車けん引用機関車であるC57形のトップナンバーとして誕生しました。
製造後は水戸や宇都宮で運行しました。
1945年(昭和20年)には空襲に遭遇し、機銃掃射を受けて損傷を受けました。
その後は千葉や新津などで活躍し、羽越本線で急行「日本海」のけん引も担当しました。
1961年(昭和36年)には急行「日本海」けん引中に土砂崩壊現場に突っ込み脱線転覆し大破しましたが、トップナンバーであることが幸いして修復されました。
1972年(昭和47年)に引退し、梅小路蒸気機関車館にて保存されます。
1979年(昭和54年)にSL復活の第1号としてC57 1が選ばれ、以降SLやまぐち号のけん引機として活躍しています。

D51 200
D51 200号機は1938年(昭和13年)に誕生しました。
誕生後は稲沢、米原、大垣、中津川など中京地区を中心に活躍しました。
当機も1945年(昭和20年)に連合軍による艦砲射撃で被災しています。
1972年(昭和45年)には梅小路機関区に転属し、そのまま梅小路蒸気機関車館にて動態保存されます。
その後は梅小路蒸気機関車館内でSLスチーム号のけん引を担っていました。
2014年(平成26年)に当機に転機が訪れます。
C57 1号機とともにSLやまぐち号のけん引にあたっていたC56 160号機が老朽化のため、当機を修復の上、本線復活させることが決定したのです。
2016年(平成28年)にわたり徹底した大規模修繕が行われ、2017年(平成29年)には新製された35系客車と同時にうっかつデビューを果たしました。
35系4000番台客車
SLやまぐち号は運転開始から12系客車が使用されてきました。
12系客車はレトロ調に改造されて好評でしたが、老朽化で置き換えが検討されました。
そこで新製されたのが35系客車です。
2017年(平成29年)に新製され、山口デスティネーションキャンペーンに合わせて運行を開始しました。
新製の客車ですが「最新技術で旧型客車を再現」をテーマとして製造されています。
マイテ49形、オハ35形、オハ31形をモデルに内装、外装とも雰囲気を再現しています。

快速SLやまぐちの編成
2021年は3月~9月に「DLやまぐち」として運行します。
SLの代わりにDD51がけん引する列車になります。
快速「SLやまぐち」はSL1両と客車5両で運転します。
新山口よりの1号車はグリーン車で、その他は普通車です。
全席指定なので指定券を購入すれば乗車できます。
←新山口
(1号車)オロテ35=(2号車)スハ35=(3号車)ナハ35=(4号車)オハ35=(5号車)オハテ35
快速SLやまぐちの車内設備
快速SLやまぐちの客室設備
1号車 グリーン車 オロテ35
新山口よりの1号車はグリーン車のオロテ35です。
かつての特急型展望客車「マイテ49」がモデルとなっています。

かつてを一等車を再現した座席です。
1列+2列のレトロな座性が並びます。

手すりのもカバーがついています。

2人掛けの座席も少し間がありゆったりしています。
また手すりの下にはコンセントがあります。


コンパートメント
1号車の津和野寄りにはコンパートメントがあります。
4人用、2人用それぞれ1区画づつあります。
仕切りがあるので個室感があります。

展望室
新山口よりには展望室があります。
津和野行きの時は最後部となり広がる景色が楽しめます。
新山口行きの時はSLの後ろとなります。
幅の広いふかふかのソファーが備え付けられています。

展望室もグリーン車ですのでグリーン券を持った人が入室できます。
発車したころは混雑していますが、徐々にすいてくるのでちょっと休憩によい空間です。


2号車 スハ35
2号車から4号車はかつてのオハ35を復刻しています。

懐かしの木製のボックスいs-トに青クッションのシートが並びます。

ボックスシートはテーブルがあり便利です。
テーブルにはコンセントが亜rます。


車両の端には荷物置きが亜rます。
上の段が広くて大型のスーツケースも置けます。

3号車 ナハ35
3号車も2号車と同じくかつてのオハ35を復刻しています。

フリースペースにはSLやまぐちの歴史や投炭体験、運転シミュレータがある
3号車の新山口側はフリースペースです。
SLやまぐちの歴史が展示してあります。

展示スペースの向かいには投炭体験と運転シミュレータがあります。
(新型コロナウィルス感染拡大防止のため体験とシミュレータは休止しています)


フリースペースには売店があり、お弁当やお菓子、ジュースやアルコール、グッズなどを販売しています。

普通車
津和野方は2号車と同じように青のボックスシートが並びます。

荷物置き場
フリースペースの横には荷物置き場あります。

4号車 オハ35
4号車もオハ35を復刻しています。

こちらも青のボックスシートが並びます。

5号車 スハテ35
展望車付きの普通車です。
こちらはオハ31を復刻しています。
オハ31形は太平洋戦争前の客車で、小窓が並ぶ外観が特徴です。
こちらのスハテ35も、窓の中央の桟がが入っていて小窓が並ぶさまを再現しています。

スハテ35には車いすスパースや多目的お手洗いがあります。
出入口扉も車いすで乗り降りできるよう広くなっています。

車内
車内は青とはことなり、緑の座席が並びます。
背ずりのクッションはなく木製の背刷りです。
さらに昔の仕様になっています。

ボックスシートにはテーブルが設置されており、コンセントも完備です。


展望デッキ
5号車の津和野寄りには展望デッキがあります。
展望デッキは屋外になっています。
新山口行きでは、トンネル部を除き外に出ることができます。
津和野行きではSLの煙を受けるため、外に出ることはできません。

車いす用座席
5号車には車いす用座席があります。
出入口扉も車いすで乗り降りできるよう広くなっています。

客室入り口のそばに車いす固定金具付き座席があります。

スタンプ台
5号車にはスタンプ台があります。
(新型コロナウイルス感染拡大防止のため使用を休止しています。スタンプラリーも実施していません)

お手洗い、トイレ等
3号車以外の車両にはお手洗い、トイレがあります。
こちらは1号車グリーン車のお手洗い、トイレです。

ウォシュレット完備でベビーキープも設置されています。

こちらは2号車普通車のお手洗い、トイレです。

2号車のお手洗いも設備は同じです。
内装のタイルがレトロ感を醸し出しています。

多目的お手洗い、多目的トイレ
5号車のお手洗いは多目的お手洗い、多目的トイレです。

こちらもタイルの内装でレトロ感があります。
ウォシュレット完備です。

多目的お手洗い、多目的トイレにはベビーキープのほかにベビーベッドも設置されています。


洗面台
お手洗いの前には洗面台があります。
陶器製の懐かしい形状の洗面台です。
蛇口の形状にもこだわりを感じます。

案内ディスプレイ
各車両の端には路線図や次駅案内を表示するディスプレイがあります。
車内の雰囲気に合うように表示内容にもこだわりがあります。

快速SLやまぐちには売店がある
3号車のフリースペースには売店があり、お弁当やお菓子、ジュースやアルコール、グッズなどを販売しています。

快速SLやまぐちのおすすめ座席
快速SLやまぐちは新山口から仁保までは市街地を走行しますが、仁保から津和野の手前までは田園風景の中を走行します。
山と田んぼに囲まれた風景に癒されます。
この車窓はどの席からも楽しめます。

津和野駅での転車台見学
SLやまぐちは津和野駅到着後は整備と方向転換のため、益田方の転車台に向かいます。
転車や整備状況は転車台の横にある広場から見学すrことができます。

転車作業は津和野到着後約20分後と、14:45分ごろに行われます。


このような整備状況も間近で見ることができます。

快速SLやまぐちの停車駅
快速SLやまぐちは下記の駅に停車します。
新山口=湯田温泉=山口=(仁保)=篠目=長門峡=(地福)=鍋倉=徳佐=津和野
(カッコは津和野行きが停車、新山口行きは通過)
快速SLやまぐちの運行日
快速SLやまぐちの運行日は3月から11月までの土日祝日に運行します。
2021年は3月~9月に「DLやまぐち」として運行します。
SLの代わりにDD51がけん引する列車になります。

(JR西日本 HPより)
快速SLやまぐちの料金、運賃、運行時刻
運行時刻と運賃は次の通りです。
SLやまぐち号は全車指定です。
乗車券、運賃のほかに指定席券、グリーン券等が必要です。
(運賃込みの価格上段:普通車指定席、下段:グリーン車)
下り 新山口→津和野行き
発車時刻 | 新山口から | 山口から | |
新山口 | 10:50発 | ー | ー |
湯田温泉 | 11:05発 | 770円
1,020円 |
ー |
山口 | 11:12発 | 770円
1,020円 |
ー |
仁保 | 11:33発 | 950円
1,200円 |
740円
990円 |
篠目 | 11:56発 | 1,120円
1,370円 |
860円
1,110円 |
長門峡 | 12:02発 | 1,210円
1,460円 |
860円
1,110円 |
地福 | 12:30発 | 1,390円
1,640円 |
1,120円
1,370円 |
鍋倉 | 12:35発 | 1,520円
1,770円 |
1,210円
1,460円 |
徳佐 | 12:42発 | 1,520円
1,770円 |
1,300円
1,550円 |
津和野 | 12:58着 | 1,700円
2,170円 |
1,520円
1,990円 |
上り 津和野→新山口行き
発車時刻 | 津和野から | |
津和野 | 15:45発 | ー |
徳佐 | 16:07発 | 770円
1,020円 |
鍋倉 | 16:13発 | 860円
1,110円 |
地福 | 通過 | ー |
長門峡 | 16:32発 | 1,120円
1,370円 |
篠目 | 16:42発 | 1,210円
1,460円 |
仁保 | 通過 | ー |
山口 | 17:09発 | 1,520円
1,990円 |
湯田温泉 | 17:14発 | 1,520円
1,990円 |
新山口 | 17:30着 | 1,700円
2,170円 |
快速SLやまぐちにも乗れる!宿泊も一緒ならさらにお得なJRセットプラン
快速SLやまぐちから乗り換えられる列車
新山口駅
津和野駅
特急「スーパーおき」
快速SLやまぐちとは
快速「SLやまぐち」は1979年(昭和54年)から山口線で運行を開始しました。
1975年(昭和50年)にSLがいったん引退してから、復活運転した初めての列車です。
山口線が選ばれたのは新幹線の接続が良い、日帰りが可能、津和野など観光地がある、転車台や給炭設備などが残っているなどの理由があるとされています。
運行開始当初は、SLはC57 1が使用され、客車は
に白帯の12系客車が使用されました。
予備のSLはC58 1でしたが、1987年(昭和62年)からはC56 160が予備機として使用されました。
客車は1988年(昭和63年)に改造され、欧風や昭和風、大正風まど車両ごとに内装が異なり、1号車は展望車風に改造されました。
予備機のC56は勾配の多い山口線では客車2両で運行するのが限界のため、C56で運行するときはDD51が補機としてじゅれんで運行していました。
2017年(平成29年)にはC56と客車の老朽化に伴い、D51 200の本線復活に向けた修復と客車の新製が行われました。
快速SLやまぐちの関連商品
まとめ
・快速SLやまぐちは新山口と津和野を結ぶ列車
・C57 1号機またはD51 200号機が35系4000番台客車をけん引している
・春から秋にかけての土日祝日を中心に運行している
・客車は昭和初期から太平洋戦争直後の車両を復刻している
・車内はレトロな感じを活かしながら最新設備で快適
・売店ではお弁当やおかし、飲み物、グッズなどの販売がある
最後までお読みいただきありがとうございました。