(2020年3月4日作成)
名古屋から伊勢市、鳥羽を結ぶ快速「みえ」を解説します。
快速列車ですが指定席があり、松阪や伊勢方面へ新幹線からの乗り継ぎも便利です。
この記事はでは快速「みえ」の車両や車内、座席や設備、お得なきっぷなどを解説していきます。
快速みえの車両と編成
快速みえの使用車両
快速みえはキハ75系で運行されています。
キハ75系は1993年(平成5年)から運行を開始しました。
それまで快速みえで運行していたキハ58形、キハ65形を置き換えました。

快速みえの編成
快速みえは2両編成と4両編成があります。
快速みえには指定席があります。
2両編成の時は1号車の鳥羽よりの半室、4両編成の時は1号車が指定席です。
半室が指定席の場合は、車両の行き先表示の横に一部指定と表示があるほか、と車両中央扉の袖仕切りに自由席、指定席の区分が示されています。




快速みえの車内
普通車座席
指定席も自由席も同じ車内です。
グレー系の色のクロスシートが並びます。

座席は向かい合わせのクロスシートで、座席の向きも変えることができます。
テーブルはありませんが、窓の桟にちょっとしたものは置くことができます。

各車両の名古屋方には優先座席があります。
優先座席はオレンジのカバーで表示されています。
停車駅案内などの表示器も車両の端に設置されています。
お手洗い等
1号車、3号車にはお手洗いがあります。

車いすの方も利用できる広いタイプのお手洗いです。

快速みえのおすすめ座席
快速みえは伊勢市~鳥羽間で伊勢湾が見えるところがあります。
伊勢湾を見るなら、鳥羽方に向かって左側の座席に座るのが良いでしょう。
快速みえには飲み物の自動販売機があるか
快速みえには飲み物の自動販売機は設置されていません。
車内販売もありませんので、食べ物や飲み物は乗車前に駅の売店かコンビニで購入しておきましょう。
快速みえの停車駅、所要時間
特急ソニックは下記の駅に停車します。
名古屋=桑名=四日市=鈴鹿=<中瀬古>=津=松阪=多気=(外城田)=(田丸)=(宮川)=(山田上口)=伊勢市=(五十鈴ヶ丘)=二見浦=(松下)=鳥羽
中瀬古は名古屋行きの一部の列車が停車、その他のカッコは一部列車が停車
所要時間は下記の通りです。
名古屋 | 津 | 東京
(東京~名古屋間はのぞみ利用) |
|
四日市 | 31分~43分 | 21分~25分 | 2時間20分~2時間50分 |
津 | 53分~1時間08分 | ー | 2時間40分~3時間10分 |
松阪 | 1時間08分~1時間28分 | 15分~21分 | 2時間50分~3時間20分 |
伊勢市 | 1時間29分~1時間50分 | 36分~51分 | 3時間10分~3時間40分 |
鳥羽 | 1時間43分~2時間12分 | 50分~1時間10分 | 3時間30分~4時間 |
時刻は名古屋駅基準で8時台〜20時台までおおむね1時間に1本。
伊勢市駅基準で7時台から19時台までおおむね1時間に1本~2本で運行しています。
快速みえの運賃、料金等
通常の運賃、料金
名古屋 | 津 | 東京
(東京~名古屋間はのぞみ利用) |
|
四日市 | 1,010円
480円 |
1,250円
720円 |
12,380円
11,110円 |
津 | 1,820円
1,290円 |
ー | 12,900円
11,630円 |
松阪 | 2,220円
1,690円 |
860円
330円 |
13,120円
11,850円 |
伊勢市 | 2,570円
2,040円 |
1,300円
770円 |
13,450円
12,180円 |
鳥羽 | 3,030円
2,500円 |
1,520円
990円 |
13,760円
12,400円 |
(上段:指定席、下段:自由席)
快速みえに安く乗るには
快速みえ特ダネ4回数券
快速みえ特ダネ4回数券はJR東海が発売する回数券タイプのきっぷです。
4枚セットです。
快速「みえ」を含むの快速・普通の自由席が利用できます。
回数券1枚でこども2人まで乗車できます。
有効期間は1か月です。
GW、お盆、年末年始は利用できません。
出発駅周辺のJRの主な駅、旅行会社の支店、営業所で発売しています。
値段は次の通りです。
名古屋市内 | 桑名 | 四日市 | |
鈴鹿 | 2,920円
(730円/枚) |
設定なし | 設定なし |
津 | 3,160円
(790円/枚) |
2,760円
(690円/枚) |
設定なし |
松阪 | 4,200円
(1,050円/枚) |
3,560円
(890円/枚) |
3,160円
(790円/枚) |
多気 | 4,600円
(1,150円/枚) |
3,800円
(950円/枚) |
3,360円
(840円/枚) |
伊勢市 | 5,040円
(1,260円/枚) |
4,600円
(1,150円/枚) |
3,800円
(950円/枚) |
鳥羽 | 5,880円
(1,470円/枚) |
5,480円
(1,370円/枚) |
4,800円
(1,200円/枚) |
詳しくは次のページもご覧ください。
快速みえと競合する交通機関との比較
快速みえと同じ区間を運行する交通機関は近鉄特急、近鉄名古屋線急行があります。
また、特急「南紀」も名古屋~多気間で快速「みえ」と同じ区間を運行しています。
名古屋~津・松阪・伊勢市・鳥羽間の交通機関の比較をまとめました。
名古屋~津・松阪・伊勢市・鳥羽の各交通機関の比較
津 | 松阪 | 伊勢市 | 鳥羽 | |
JR(快速みえ) |
790円~1,820円 53分~1時間08分 13往復 (1時間間隔) |
1,050円 ~2,220円
1時間08分 ~1時間28分 13往復 (1時間間隔) |
1,260円~2,570円
1時間29分 ~1時間50分 13往復 (1時間間隔) |
1,470円 ~3,030円
1時間43分 ~2時間12分 12往復 (1時間間隔) |
JR (南紀) | 2,270円 ~2,900円
55分~1時間 4往復 |
3,210円 ~3,740円
1時間10分 ~1時間19分 4往復 |
ー | ー |
近鉄特急 | 1,940円
45分~57分 3~4本/時間 |
2,630円
1時間07分 ~1時間20分 2~3本/時間 |
2,810円
1時間23分 ~1時間33分 2本/時間 |
3,090円
1時間36分 ~1時間48分 2本/時間 |
近鉄急行 | 1,020円
1時間04分~1時間13分 3~4本/時間 |
1,290円
1時間29分 ~1時間39分 3~4本/時間 |
1,470円
1時間44分 ~1時間56分 1本/時間 |
ー |
各交通機関の解説
近鉄特急
所要時間と本数は次の通りです。
所要時間 | |
近鉄名古屋~津 | 約45分~57分 |
近鉄名古屋~松阪 | 約1時間07分~1時間20分 |
近鉄名古屋~伊勢市 | 約1時間23分~1時間33分 |
近鉄名古屋~鳥羽 | 約1時間36分~1時間48分 |
津には1時間あたり2~4本の列車が停車します。
(しまかぜを除く全列車が停車)
松阪・伊勢市・鳥羽には1時間に2本の列車が停車します。
(宇治山田、鳥羽、五十鈴川、賢島行きが停車)
運賃・料金は次の通りです。
所要時間と本数は次の通りです。
(ひのとりやデラックスシートなどの特別料金は別途必要です)
運賃・料金 | |
近鉄名古屋~津 | 1,940円 |
近鉄名古屋~松阪 | 2,630円 |
近鉄名古屋~伊勢市 | 2,810円 |
近鉄名古屋~鳥羽 | 3,090円 |
近鉄名古屋線急行
近鉄名古屋線の急行は運賃だけで乗車でき、終日にわたり1時間あたり3~4本を運行しています。
近鉄急行は運賃のみで乗車できます。
停車駅は次の通りです。
近鉄名古屋=近鉄蟹江=近鉄弥富=桑名=近鉄富田=近鉄四日市=塩浜=伊勢若松=白子=江戸橋=津=津新町=南ヶ丘=久居=桃園=伊勢中川=松阪=(宮町)=伊勢市=宇治山田=五十鈴川=<各駅停車>=鳥羽
所要時間と本数は次の通りです。
所要時間 | |
近鉄名古屋~津 | 約1時間04分~1時間13分 |
近鉄名古屋~松阪 | 約1時間29分~1時間39分 |
近鉄名古屋~伊勢市 | 約1時間44分~1時間56分 |
近鉄名古屋線急行は近鉄名古屋~松阪間では終日にわたり1時間当たり3~4本を運行しています。
伊勢市・宇治山田・五十鈴川発着は1時間に1~2本の運行です。
運賃は次の通りです。
(近鉄名古屋線急行は運賃のみで乗車できます)
運賃 | |
近鉄名古屋~津 | 1,020円 |
近鉄名古屋~松阪 | 1,290円 |
近鉄名古屋~伊勢市 | 1,470円 |
特急南紀
特急南紀は名古屋~紀伊勝浦間を運行する特急列車です。
名古屋~多気間で快速みえと同じ区間を運行します。
1日4往復で所要時間と値段(運賃と指定席特急料金の合計)は次の通りです。
所要時間 | 値段 | |
名古屋~津 | 55分~1時間 | 2,270円~2,900円 |
名古屋~松阪 | 1時間10分~1時間19分 | 3,210円~3,740円 |
快速みえにも乗れる宿泊も一緒ならさらにお得なJRセットプラン
快速みえから乗り換えできる列車
名古屋駅
空港特急「ミュースカイ」、名鉄名古屋本線特急、名鉄常滑・空港線特急、名鉄河和・知多新線特急(内海河和発着)
桑名駅、津駅、松阪駅
近鉄特急(名阪特急「ひのとり」、「アーバンライナー」)名伊特急(「しまかぜ」、「伊勢志摩ライナー」、「アーバンライナー」、「ビスタカー」)など、
多気駅
特急「南紀」
伊勢市駅
近鉄特急
名伊特急(「しまかぜ」、「伊勢志摩ライナー」、「アーバンライナー」、「ビスタカー」)など、近鉄名古屋線急行
鳥羽駅
近鉄特急
名伊特急(「しまかぜ」、「伊勢志摩ライナー」、「アーバンライナー」、「ビスタカー」)など
快速みえとは
快速「みえ」は名古屋~伊勢市・鳥羽間を結ぶ快速列車です。
1990年(平成2年)に運行を開始しました。
名古屋~伊勢間では関西本線や参宮線とほぼ並行して近鉄線が並走しています。
近鉄は全線複線で電化されており、対するJRの関西本線は単線区間がほとんどで伊勢鉄道線や参宮線は電化はされていませんでした。
このため、名古屋~伊勢間の輸送は所要時間や列車本数の面からも近鉄特急や近鉄急行に対抗できるものではありませんでした。
このような背景のなか、近鉄に対抗するために運行を開始したのが快速「みえ」です。
当初は名古屋~松阪間が中心で、1往復は紀伊勝浦に乗り入れていました。
使用車両は急行「のりくら」で使用されていたキハ58、65系が専用車両で運行しました。
1991年(平成3年)には使用するキハ58、65系を110㎞/h走行に対応した改造(エンジン換装、キハ82系から発生した台車に取り換え)を行うとともに、車内もリクライニングシートに交換され、スピードアップと快適性向上が図られました。
また、伊勢市や鳥羽にも乗り入れるようになり、12往復まで増発されます。
1992年(平成4年)には名古屋~紀伊勝浦間の列車は特急「南紀」に格上げされます。
1993年(平成5年)にはキハ75系での運行を開始。
このときに快速「みえ」は松阪までの列車を延長し、名古屋~伊勢市・鳥羽間の列車となります。
120㎞/hで運行し、表定速度84㎞/hは日本一速い気動車快速となりました。
2011年(平成23年)には全列車が4両編成となりましたが、2014年(平成26年)には一部列車が2両編成に戻っています。
快速みえの関連商品
まとめ
・快速みえは名古屋と伊勢市・鳥羽を結ぶ特急列車
・キハ75系で運行されている
・快速列車では珍しく指定席車両が連結されている。
最後までお読みいただきありがとうございました。