(2021年5月11日更新)
名古屋から熊野市を経由して新宮や紀伊勝浦とを結ぶ特急「南紀」。
名古屋と本州の最南端を結ぶ貴重な特急列車です。
紀伊山地のふもとを走る特急「南紀」
ここでは特急「南紀」の座席、車内設備、お得な乗車方法などをまとめました。
特急南紀の車両と編成
特急南紀の使用車両
キハ85系気動車で運行されています。
1989年(平成元年)から「ひだ」で運行を開始した車両です。
JR東海の会社発足後の新形式第1号車として「ワイドビュー」を初めて冠した車両です。

1992年(平成4年)からは紀勢本線の特急「南紀」にも使用されています。
先頭車は景色が楽しめるパノラマ仕様になっている車両もあります。

特急南紀の編成
特急「南紀」は主に2両編成です。
1号車は自由席、2号車は指定席です。
お正月、お盆、GWなどには増結される場合があります。

(JR東海 HPより)
特急南紀の車内
グリーン車
特急南紀にはグリーン車は連結されなくなりました。
(2020年11月から)
普通車(自由席、指定席)
普通車は自由席、指定席に座席の違いはありません。
オレンジ系の色の座席が並びます。

座席は廊下から約20㎝高いところに座席があり、窓も大きくしてあります。
ワードビューの名前らしく、景色がよく見えるように工夫がしてあります。

4号車には車いす固定用の座席もあります。

先頭車の運転席後ろの座席は運転席との仕切りが大きい窓となっており前面展望が楽しめます。
4号車は指定席なので座席の指定が必要です。
1号車はパノラマ車両で運転席が1枚窓なのでさらに良く前が見えます。
1号車は自由席なので早く並べば席を確保できます。

お手洗い
多目的お手洗いも設置されています。

多目的お手洗いは車いすでも利用できる大きさになっています。
また、ベビーキープやベビーベッドも設置されています。

このほかのお手洗いは、昔懐かしい和式のお手洗いもあります。


洗面台
洗面台は丸い鏡の洗面台と、多目的お手洗いの近くには三面鏡のお手洗いがあります。


特急南紀のおすすめ座席
特急南紀は紀伊長島から紀伊勝浦間は紀伊山地と熊野灘の間の狭い平地を縫うように走行します。
海を見たいなら「A席」、山を見たいなら「D席」を指定して予約しましょう。
最前部に乗車すれば運転席越しに前面展望も楽しめます。
紀伊勝浦行きは指定席の2号車が先頭車なので予約の時に指定できます。
名古屋行きの先頭1号車は自由席なので早い者勝ちです。
(号車は増結により変更になる場合があります)
南紀には飲み物の自動販売機がある
特急南紀には飲み物の自動販売機があります。
お茶、コーヒー、ジュース等の飲み物が買えます。
その他の車内販売はないので駅で買っておきましょう。

特急南紀の停車駅、所要時間
特急南紀は下記の駅に停車します。
名古屋=桑名=四日市=鈴鹿=津=松阪=多気=三瀬谷=紀伊長島=尾鷲=熊野市=新宮=紀伊勝浦

所要時間は下記の通りです。
名古屋 | 津 | |
紀伊勝浦 | 3時間39分~3時間57分 | 2時間42分~2時間57分 |
新宮 | 3時間18分~3時間36分 | 2時間21分~2時間38分 |
熊野市 | 2時間59分~3時間08分 | 2時間01分~2時間18分 |
尾鷲 | 2時間31分~2時間41分 | 1時間34分~1時間48分 |
松阪 | 1時間10分~1時間19分 | 15分~16分 |
津 | 55分~1時間 | ー |
特急南紀の運賃、料金等
通常の運賃、料金
所要時間は下記の通りです。
名古屋 | 津 | |
紀伊勝浦 | 7,860円
7,330円 |
5,810円
5,280円 |
新宮 | 7,530円
7,000円 |
5,810円
5,280円 |
熊野市 | 6,980円
6,450円 |
5,030円
4,500円 |
尾鷲 | 6,210円
5,680円 |
4,370円
3,840円 |
松阪 | 3,740円
3,210円 |
1,620円
660円 |
津 | 2,900円
2,270円 |
ー |
(上段:指定席、下段:自由席)
南紀にお得に乗るには
特急南紀にお得に乗車できるお得なきっぷは次ものがあります。
南紀・熊野古道フリーきっぷ

南紀・熊野古道フリーきっぷはJR東海が発売するフリータイプのきっぷです。
フリー区間までの「南紀」の普通車指定席往復と、フリー区間内は特急自由席も含めて乗り放題です。
次の2コースからどちらかが選べます。
・伊勢路コース
フリー区間:三瀬谷~熊野市間
・中部路コース
フリー区間:熊野市~紀伊勝浦間
ほかにもバスやお土産、観光施設での割引特典があります。
有効期間は3日間です。
GW、お盆、年末年始は利用できません。
値段は次の通りです。
(主な駅からの値段を記載しています。このほかの駅からのきっぷもあります)
伊勢路コース | 中辺路コース | |
名古屋市内 | 8,380円
(4,190円/片道) |
9,970円
(4,585円/片道) |
尾張一宮~岐阜 | 8,910円
(4,455円/片道) |
10,490円
(5,245円/片道) |
亀山~多気 | 7,860円
(3,930円/片道) |
9,430円
(4,715円/片道) |
詳しくは次のページもご覧ください。
南紀往復割引きっぷ
南紀往復割引きっぷはJR東海が発売する往復タイプの割引きっぷです。
「南紀」の普通車指定席が利用できます。
GW、お盆、年末年始は利用できません。
出発駅周辺のJRの主な駅、旅行会社の支店、営業所で発売しています。
値段は次の通りです。
(主な駅からの値段を記載しています。このほかの駅からのきっぷもあります)
津 | 松阪 | 有効期間 | |
三瀬谷 | 4,380円
(2,190円/片道) |
設定なし | 2日間 |
紀伊長島 | 5,240円
(2,620円/片道) |
4,700円
(2,350円/片道) |
2日間 |
尾鷲 | 7,040円
(3,520円/片道) |
5,240円
(2,620円/片道) |
津:4日間
松阪:2日間 |
熊野市 | 8,110円
(4,055円/片道) |
7,590円
(3,795円/片道) |
4日間 |
新宮 | 9,280円
(4,640円/片道) |
8,110円
(4,055円/片道) |
4日間 |
紀伊勝浦 | 9,410円
(4,705円/片道) |
9,280円
(4,640円/片道) |
4日間 |
詳しくは次のページもご覧ください。
南紀特急回数券
南紀特急回数券はJR東海が発売する回数券タイプのきっぷです。
4枚セットです。
「南紀」の普通車自由席が利用できます。
回数券1枚でこども2人まで乗車できます。
有効期間は1か月です。
GW、お盆、年末年始は利用できません。
出発駅周辺のJRの主な駅、旅行会社の支店、営業所で発売しています。
値段は次の通りです。
津 | 松阪 | |
三瀬谷 | 7,040円
(1,760円/枚) |
設定なし |
紀伊長島 | 8,760円
(2,190円/枚) |
7,640円
(1,910円/枚) |
尾鷲 | 12,400円
(3,100円/枚) |
8,760円
(2,190円/枚) |
熊野市 | 14,560円
(3,640円/枚) |
13,440円
(3,360円/枚) |
新宮 | 16,920円
(4,230円/枚) |
14,560円
(3,640円/枚) |
紀伊勝浦 | 17,120円
(4,280円/枚) |
16,920円
(4,230円/枚) |
詳しくは次のページもご覧ください。
ハッピー名古屋往復きっぷ

ハッピー名古屋往復きっぷはJR東海が発売する往復タイプのきっぷです。
「南紀」の普通車指定席が利用できます。
次の箇所で使える食事・商品券5,000円分(1,000円×5枚)がついてきます。
ジェイアール名古屋タカシマヤ |
タワーズプラザ レストラン街 12・13F |
名古屋マリオットアソシアホテル内のレストラン |
タカシマヤゲートタワーモール |
ゲートタワープラザレストラン街 12・13F |
名古屋JRゲートタワーホテル内のレストラン |
ゲートウォーク |
産業観光施設での特典もあります。
有効期間は3日間です。
GW、お盆、年末年始は利用できません。
値段は次の通りです。
1人用 | 2人用 | 3人用 | 4人用 | |
熊野市~紀伊長島発 | 13,800円
(6,900円/片道) |
18,610円
(4,653円/片道) |
23,110円
(3,852円/片道) |
27,290円
(3,412円/片道) |
詳しくは次のページもご覧ください。
特急南紀と競合する交通機関との比較
特急ソニックと同じ区間を運行する高速バスには名古屋南紀高速線、松阪熊野線があります。
名古屋~熊野市間、名古屋~松阪間、松阪~熊野市間の交通機関の比較をまとめました。
名古屋~熊野市の各交通機関の比較
運賃・料金 | 所要時間 | 運行本数 | |
JR(南紀) | 4,585円~6,980円 | 2時間59分~3時間08分 | 4往復 |
高速バス | 3,700円 | 3時間14分~3時間34分 | 1日7往復
1時間~3時間間隔 |
名古屋~松阪の各交通機関の比較
運賃・料金 | 所要時間 | 運行本数 | |
JR(南紀) | 3,210円~3,740円 | 1時間10分~1時間19分 | 4往復 |
JR
(快速みえ) |
1,050円~2,220円 | 1時間08分~1時間28分 | 13往復(1時間間隔) |
近鉄特急 | 1,940円 | 1時間07分~1時間20分 | 1時間あたり2~4本 |
近鉄名古屋線急行 | 1,290円 | 1時間29分~1時間39分 | 1時間あたり3~4本 |
松阪~熊野市の各交通機関の比較
運賃・料金 | 所要時間 | 運行本数 | |
JR(南紀) | 3,360円~4,700円 | 1時間46分~2時間02分 | 4往復 |
高速バス | 2,650円 | 3時間48分~4時間01分 | 4往復 |
各交通機関の解説
名古屋南紀高速線
名古屋南紀高速線は三重交通が運行する路線バスです。
名鉄バスセンター(名古屋)~尾鷲市病院前~熊野市駅前~三交新宮駅前で運行しています。
所要時間は次の通りです。
名鉄バスセンター | |
紀北町紀伊長島 | 約2時間22分~2時間32分 |
尾鷲市病院前 | 約2時間44分~3時間04分 |
熊野市駅前(市役所前) | 約3時間14分~3時間34分 |
三交新宮駅前 | 約3時間58分~4時間18分 |
運行本数は次の通りです。
名鉄バスセンター~三交新宮駅前:1日3往復
名鉄バスセンター~熊野市駅前~三交南紀:1日7往復
運賃は次の通りです。
名鉄バスセンター | |
紀北町紀伊長島 | 2,700円 |
尾鷲市病院前 | 3,200円 |
熊野市駅前(市役所前) | 3,700円 |
三交新宮駅前 | 4,200円 |
名古屋満喫きっぷ
名古屋南紀高速線は「なごや満喫きっぷ」を利用するとお得です。
名古屋満喫きっぷには名鉄バスセンターまでの往復乗車券と大須食べ歩きクーポン(500円分)がついてきます。
大須おみやげカンパニーで割引特典もついてきます。
有効期間は2日間です。
年末年始(12月28日~1月4日)、お盆(8月14日~8月16日)にかかる場合はりようできません。
一部利用できない便があります。
利用日の前日まで購入できます。
名古屋満喫きっぷの値段は次の通りです。
乗車停留所 | 名鉄バスセンター |
尾鷲市病院前・鷲毛・海山バスセンター | 5,900円(2,950円/片道) |
三交南紀・花の窟・熊野市駅前・鬼ヶ城東口 | 6,900円(3,450円/片道) |
三交新宮駅前・紀宝町・阿田和駅前 | 7,900円(3,950円/片道) |
名古屋満喫きっぷについて詳しくは次のページもご覧ください。
名古屋南紀高速線について詳しくは次のページもご覧ください。
松阪熊野号
松阪熊野線は三重交通が運行する路線バスです。
所要時間と本数は次の通りです。
松阪駅前 | |
大台町(三瀬谷駅) | 約55分~56分 |
紀北町役場前(紀伊長島駅) | 約1時間52分~1時間59分 |
尾鷲駅口 | 約2時間51分~3時間 |
熊野市駅前 | 約3時間48分~4時間01分 |
運行本数:1日4往復
運賃は次の通りです。
松阪駅前 | |
大台町(三瀬谷駅) | 1,170円 |
紀北町役場前(紀伊長島駅) | 1,710円 |
尾鷲駅口 | 2,130円 |
熊野市駅前 | 2,650円 |
詳しくは次のページもご覧ください。
快速みえ
快速みえは名古屋~伊勢市、鳥羽間を運行する快速列車です。
快速列車なので運賃だけで乗車できます。
指定席車両もあります。
停車駅は次の通りです。
名古屋=桑名=四日市=鈴鹿=<中瀬古>=津=松阪=多気=(外城田)=(田丸)=(宮川)=(山田上口)=伊勢市=(五十鈴ヶ丘)=二見浦=(松下)=鳥羽
中瀬古は名古屋行きの一部の列車が停車、その他のカッコは一部列車が停車
所要時間と本数は次の通りです。
所要時間 | |
名古屋~津 | 約53分~1時間08分 |
名古屋~松阪 | 約1時間08分~1時間28分 |
快速みえは終日にわたり1時間あたり1本運行しています。
運賃は次の通りです。
快速みえをはじめとする普通列車、快速列車が利用できるお得な快速みえ特ダネ4回数券も発売されています。
運賃 | |
名古屋~津 | 790円~1,820円 |
名古屋~松阪 | 1,050円~2,220円 |
詳しくは次のページもご覧ください。
近鉄特急
所要時間と本数は次の通りです。
所要時間 | |
近鉄名古屋~津 | 約45分~57分 |
近鉄名古屋~松阪 | 約1時間07分~1時間20分 |
津には1時間あたり2~4本の列車が停車します。
(しまかぜを除く全列車が停車)
松阪には1時間に2本の列車が停車します。
(宇治山田、鳥羽、五十鈴川、賢島行きが停車)
運賃・料金は次の通りです。
所要時間と本数は次の通りです。
(ひのとりやデラックスシートなどの特別料金は別途必要です)
運賃・料金 | |
近鉄名古屋~津 | 1,020円 |
近鉄名古屋~松阪 | 1,290円 |
近鉄名古屋線急行
近鉄名古屋線の急行は運賃だけで乗車でき、終日にわたり1時間あたり3~4本運行しています。
近鉄急行は運賃のみで乗車できます。
停車駅は次の通りです。
近鉄名古屋=近鉄蟹江=近鉄弥富=桑名=近鉄富田=近鉄四日市=塩浜=伊勢若松=白子=江戸橋=津=津新町=南ヶ丘=久居=桃園=伊勢中川=松阪=(宮町)=伊勢市=宇治山田=五十鈴川=<各駅停車>=鳥羽
所要時間と本数は次の通りです。
所要時間 | |
近鉄名古屋~津 | 約1時間04分~1時間13分 |
近鉄名古屋~松阪 | 約1時間29分~1時間39分 |
近鉄名古屋線急行は近鉄名古屋~松阪間では終日にわたり1時間当たり3~4本運行しています。
(宇治山田、五十鈴川発着も1時間に1本~2本あります)
運賃は次の通りです。
(近鉄名古屋線急行は運賃のみで乗車できます)
運賃 | |
近鉄名古屋~津 | 1,940円 |
近鉄名古屋~松阪 | 2,630円 |
特急南紀にも乗れる宿泊も一緒ならさらにお得なJRセットプラン
特急南紀から乗り換えできる列車
名古屋駅
空港特急「ミュースカイ」、名鉄名古屋本線特急、名鉄常滑・空港線特急、名鉄河和・知多新線特急(内海河和発着)
桑名駅、津駅、松阪駅
近鉄特急(名阪特急「ひのとり」、「アーバンライナー」)名伊特急(「しまかぜ」、「伊勢志摩ライナー」、「アーバンライナー」、「ビスタカー」)など、
多気駅
快速「みえ」
新宮駅、紀伊勝浦駅
特急「くろしお」
特急南紀とは
特急「南紀」は名古屋~新宮・紀伊勝浦を結ぶ特急列車です。
1978年(昭和53年)に誕生しました。
天王寺から新宮など紀勢線を経由して名古屋まで結ぶ「くろしお」が紀勢線電化開業に伴い天王寺~新宮間で電車化されました。
このため、新宮で系統分割され、新宮以東の特急が「南紀」となりました。
「南紀」にはキハ82系が使用されました。
1985年(昭和60年)には急行「紀州」、「はまゆう」が廃止され、この区間を走行する優等列車は「南紀」のみとなります。
1992年(平成4年)にはキハ85系が「南紀」で運行を開始します。
キハ82系と比較して名古屋~紀伊勝浦間で42分も短縮します。
「南紀」は5往復になった時期もありましたが、現在は4往復で運行しています。
特急南紀の関連商品
まとめ
・特急南紀は名古屋から熊野市を経由して新宮・紀伊勝浦を結ぶ特急列車
・ワイドビューの愛称がついているキハ85系で運行している
・座席は通路から20㎝高く、窓も大きいので景色が楽しめる
・飲み物の自動販売機が設置されていて便利
最後までお読みいただきありがとうございました。