(2021年5月12日更新)
新幹線のN700系、N700A系を解説していきます。
N700系、N700A系は東海道、山陽、九州新幹線の主力車両です。
N700系には16両編成と8両編成があります。
車両の形は同じですが、色や内装、設備は全く異なります。
ここではN700系、N700A系の車両、車内設備、座席などを解説します。
N700系とは
N700系、N700A系
N700系は東海道、山陽新幹線の主力車両です。
ほとんどの列車はN700系で運行しています。
2007年(平成19年)から運行を開始して、2020年(令和2年)には東海道新幹線のすべての列車がN700系で運行されるようになりました。

N700系はN700A(AdvancedのA)とA仕様に改造したN700系があります。
どちらも性能は同じです。


N700系7000番台、8000番台
N700系7000番台、8000番台は山陽新幹線、九州新幹線直通列車に運行するために製造されました。
2011年(平成23年)から運行しています。
九州新幹線に直通するため8両編成です。
N700系7000番台、8000番台も運用の都合上、一部のこだまで運行しています。

N700系の編成
のぞみ
のぞみ号は16両編成で運行されています。
1号車から3号車が自由席、そのほかは指定席です。

N700系一部車両のの詳細な座席配置図です。
(JR東海のHPより)
ひかり
N700系、N700系A、N700Sの16両編成のひかり号の編成図です。
主に東海道区間で運行しています。
山陽新幹線区間ではごく一部です。
基本は指定席が6、7、11~16号車、グリーン車は8~10号車。
1~5号車は自由席です。
(N700系には4号車、15号車にも公衆電話があります)

主に東海道区間(一部山陽区間も)のこだま
N700系、N700系A、N700Sの16両編成のこだま号の編成図です。
主に東海道区間で運行しています。
山陽新幹線区間ではごく一部です。
基本は指定席が7、11、12号車、グリーン車は8~10号車。
その他は自由席です。
(一部に普通車全席自由席の列車があります)

N700系一部車両のの詳細な座席配置図です。
(JR東海のHPより)
N700系の座席配置
普通車1号車、2号車の座席配置です。
富士山、浜名湖、姫路城などはE席に座るとみることができます。

喫煙ルームがある、7号車の座席配置です。

喫煙ルームがあるグリーン車の10号車の座席配置です。

多目的お手洗いがある11号車の座席配置です。

各号車の詳細は座席配置については、次のJR東海のHPもご覧ください。
山陽・九州直通用N700系(8両編成、7000番台、8000番台)
山陽・九州直通用N700系の8両編成の編成図です。
みずほ・さくらのほか、一部のつばめや山陽区間のこだまで運行しています。
基本は1~3号車が自由席、4~8号車が指定席、6号車が一部自由席です。
このほか、こだまやつばめでは7,8号車が自由席の列車、グリーン車以外全車自由席の列車があります。

N700系の車内
N700系、N700A系16両編成
普通車自由席、普通車指定席
8号車~10号車以外は普通車です。
自由席、指定席とも車内は同じです。
青系の座席が並んでいます。

2人掛け座席と3人掛け座席です。
3人掛けが窓側からA席・B席・C席、2人掛けが窓側からE席、D席です。


窓側の座席下にはコンセントがついています。

車両の端のシートには大きいテーブルとコンセントが設置されています。
パソコンで作業するときはとても便利です。

グリーン車
8号車~10号車はグリーン車です。
濃混色の落ち着いたシートです。

広い座席とひじ掛け。
テーブルは手すりから出して設置します。

コンセントは各席の中央ひじ掛けに配置されています。
ひじ掛けには読書灯やヒーターのボタンがあります。
フットレスト、背もたれの調整も可能です。


グリーン車にはWedgeやひとときなどの雑誌が備え付けてあります。
おしぼりは乗車後、アテンダントさんからいただけます。


N700系8両編成(7000番台、8000番台)
普通車自由席
N700系8両編成の1~3号車自由席の車内です。
2列+3列の座席が並びます。

普通車指定席
4~8号車(6号車は半室)の指定席の車内です。
2列+2列の座席で、グリーン車並みのゆったりした座席です。

グリーン車
6号車の半室はグリーン車です。
2列+2列の座席でフットレスト、レッグレストがあります。

お手洗い等
N700系、N700A系16両編成
N700系、N700A系の16両編成の11号車の東京よりには多目的お手洗いが設置されています。
ベビーチェアやおむつ替え台が設置されています。

普通車は奇数号車の東京より(1号車、3号車、5号車、7号車、11号車、13号車、15号車)にもお手洗いがあります。

洗面台です。

N700系8両編成
山陽・九州直通用(N700系7000番台・8000番台)のお手洗いも同じですが、外装やドアなどが木目調になっています。

公衆電話
N700系、N700A系16両編成
4号車、9号車、12号車、15号車には公衆電話があります。
(N700Aは4号車、12号車のみ)

N700系8両編成
山陽・九州直通用のN700系8両編成にも公衆電話が設置されています。
3,8号車にあります。

喫煙ルーム
N700系、N700A系16両編成
3号車、7号車、10号車、15号車には喫煙ルームがあります。

N700系8両編成
N700系8両編成には3号車、7号車の鹿児島中央寄りに喫煙ルームがあります。

喫煙スペース内です。
一人での利用を推奨していますが、2人くらいで利用されている場合もあります。

WiFiも完備
東海道・山陽新幹線ではフリーWi-Fiを利用できます
メールアドレスかSNSアカウント登録で利用できます。

特大荷物スペース
各車両の端部には大型スーツケースなどが置ける「特大荷物スペース」があります。
荷物の3辺の和が160㎝以上250㎝以内の「特大荷物」を車内に持ち込む際には「特大荷物スペース付き座席」のきっぷを予約、購入して利用できます。
車両につき4席~5席の特大荷物スペース付き座席があります。
追加料金は不要で利用できます。
事前予約なしで持ち込みする場合は持ち込み料金1,000円がかかります。
なお、特大荷物スペースの席もリクライニングするので長時間の乗車でも安心です。
N700系16両編成の特大荷物スペース
N700系16両編成では特大荷物スペース付き座席は次の通りです。
(下記の車両が自由席の場合は設定はありません)
普通車:30席(4~7号車、12、13号車各5席)
グリーン車:12席(8~10号車)
普通車の特大荷物スペースです。


グリーン車の特大荷物スペースです。


N700系8両編成の特大荷物スペース
N700系8両編成では特大荷物スペース付き座席は次の通りです。
(下記の車両が自由席の場合は設定はありません)
普通車:8席(6号車、8号車各4席)
グリーン車:4席(6号車)
N700系8両編成の普通車の特大荷物スペースです。


N700系8両編成のグリーン車の特大荷物スペースです。


N700系、N700A系のおすすめ座席
快適な座席
のぞみ、ひかり、こだま号のN700系、N700A系では特に快適な座席はありませんが、車両端部の座席のテーブルは広いのでパソコンなどの作業がしやすいです。
またみずほ号、さくら号のN700系の指定席は2列+2列の座席でグリーン車並みのゆったりした座席です。
自由席の530円(繁忙期は730円、閑散期は330円)をプラスすると利用できるので、みずほ装、さくら号を利用する際には指定席を確保するのが良いでしょう。
また、車両端部の座席のテーブルは広いのでパソコンなどの作業がしやすいです。
眺めのいい座席
東海道新幹線の車窓といえば富士山です。
富士山を見るならぜひ「E席」を確保しましょう。
(グリーン車は「D席」)
「E席」(グリーン車は「D席」)ならどこの座席でも大丈夫です。
三島~新富士~静岡の区間で見ることができます。
新富士駅付近が最もよく見えます。
浜名湖、姫路城などもE席(グリーン車、みずほ・さくら指定席は「D席」)に座るとみることができます。
そのほかの山陽、九州新幹線区間はトンネルが多いので車窓はあまり期待はできません。
N700系、N700A系の運行区間、運行列車
N700系、N700A系は東海道、山陽新幹線の東京~博多間で運行します。
のぞみは東京~博多間、ひかりは東京~岡山間と一部新大阪~博多間、こだまは東京~新大阪間で運行します。
→のぞみ号の解説はこちら
→ひかり号の解説はこちら
→こだま号の解説はこちら
山陽・九州新幹線直通用のN700系は新大阪~鹿児島中央間で運行します。
みずほ号・さくら号のほか一部のつばめ号、こだま号でも運行します。
→みずほ号の解説はこちら
→さくら号の解説はこちら
→つばめ号の解説はこちら
→こだま号の解説はこちら
N700系、N700A系の関連商品
N700系、N700A系の歴史
新幹線N700系はJR西日本、JR東海が共同開発した車両です。
2005年(平成17年)に試作車が完成し、各種試験ののち2007年(平成19年)7月~営業運転を開始しました。
N700系は飛行機との競争に必要な300㎞/hでの高速性能と、東海道新幹線の増発のためのより高い加減速性能を両立すべく、従来の300系や700系と各号車別の乗車定員を共通化することを目的に開発されました。
300㎞/hで走行できる新幹線は500系がありましたが、他の系列と車内設備が異なるため東海道区間では運用しづらかったことと、東海道区間では270㎞/hに最高速度が抑えられること、価格が高価なことが災いして必要最低限の本数しか製造されませんでした。
東海道区間では最高速度が270㎞/hの他にも60か所存在する半径2500mの曲線では、255㎞/hの速度制限を受けていました。
これを解消するため、N700系は東海道区間でも高速化を図るために、車体傾斜システムを導入しました。(九州新幹線直通用を除く)。半径2500mの曲線でも270㎞/hで走行できるようになり、全体の2/3以上の区間で270㎞/hで走行できるようになりました。
所要時間も東京~新大阪で5分短縮することができました。
営業開始当初から東京~博多間の速達のぞみで運行しました。
また2011年(平成23年)の九州新幹線博多開業にあたり、JR西日本とJR九州は山陽・九州新幹線直通用にN700系ベースの車両を導入することとしました。
山陽・九州新幹線直通用のN700系は九州新幹線に存在する35‰の勾配を走行できる性能、東海道、山陽、西日本のATCに対応することが課題となりました。
神戸委に対しては全電動車化で対応するとともに、車体傾斜システムは山陽・九州直通用のN700系には導入されませんでした。
また、この車両はひかりレールスターの後継車両となるため、客室設備も指定席は2+2列のサルーンシートを受け継ぎました。
デザインは「和のおもてなしの心」をテーマに水戸岡鋭治氏らが監修しました。
東海道・山陽新幹線のN700系とは全く異なるこの山陽・九州直通用新幹線は2011年(平成23年)から運行を開始して好評を得ています。
山陽・九州直通用のN700系は鉄道関連の国際デザインコンペティションである第11回ブルネイ賞を受賞しています。
まとめ
・N700系、N700系A系は現在の東海道・山陽・九州新幹線の主力車両
・東海道・山陽新幹線はN700系、N700A系16両編成
・山陽・九州直通用のN700系は8両編成
・16両編成は東海道・山陽新幹線ののぞみ、ひかり、こだまで運行している
・8両編成はみずほ、さくらのほかこだま、つばめで運行している
・山陽・九州直通用のN700系は普通車指定席が広くて快適な乗り得座席
最後までお読みいただきありがとうございました。