(2022年4月24日更新)
博多から佐世保を結ぶ特急「みどり」。
みどりのカラーをまとった列車が快走しています。
ここでは特急「みどり」の車両、車内やお得な乗車方法などをまとめました。
特急みどりの車両と編成
特急みどりの使用車両
特急みどりは783系と787系で運行しています。
主に使用しているのは783系で、787系は朝晩の一部列車で運行しています。
こちらは783系です。
1988年(昭和63年)に誕生しました。
JRグループとして初めての新形式車両でした。
「みどり」には2000年(平成12年)から運行しています。
「みどり」で運行する車両には専用のカラーの車両が使用されます。

特急「ハウステンボス」と博多~早岐間は併結して運行するため、博多方の先頭車両は貫通型車両です。

また一部の列車は787系で運行します。
787系は1992年に特急「つばめ」用として誕生しました。
「みどり」には2011年(平成23年)から運行を開始しました。
「リレーつばめ」で使用されていた車両で運行しており、DXグリーン席やグリーン個室のあるグリーン車を連結しています。

特急みどりの編成
特急「みどり」は4、6、7、8両編成があります。
4両編成、8両編成は783系、6両編成、7両編成は787系です。
783系の列車は「ハウステンボス」用の車両を連結していることがあります。

(JR九州 HPより)
特急みどりの車内
783系みどり
グリーン車
5号車の早岐方半室がグリーン車です。
2列+1列ゆったりした座席です。

昔ながらのグリーン席です。
みどりのグリーン車にはコンセントはありません。


普通車(自由席、指定席)
普通車は黒地のシートの落ち着いたデザインです。

普通のリクライニングシートです。
コンセントはついていません。

博多、佐世保方の先頭車8号車は前面展望が楽しめます。

運転席も開放的なのでひらけた前面風景が楽しめます。
8号車は自由席なので、早いもの勝ちで利用できます。

お手洗い、トイレ
5号車、7号車にはお手洗いがあります。


メタリックブルーの内装です。
少し手狭なコンパクトなトイレです。


フリースペース
お手洗い、トイレの横や自動販売機の前にはフリースペースがあります。



787系みどり
グリーン車
長崎方の1号車はグリーン車です。
赤色の座席で2列+1列の座席配置です。

少し小さめのテーブルがあります。

DXグリーン
グリーン車の運転席後ろにはDXグリーン席があります。
3席のみです。


パワーシートでほぼフルフラットになるまでリクライニングします。
コンセントも装備しています。

グリーン個室
グリーン車のデッキそばにはグリーン個室があります。
6人まで利用できます。

普通車
普通車の指定席、自由席の座席です。

緑系と赤系の座席がありますが、自由席と指定席の区別はありません。

リクライニングシートでテーブルは前の座席についている特急電車の標準的な座席です。

普通車ボックス席
787系6両編成の3号車にはボックス席があります。
(7両編成は4号車)

ボックス席はガラスで仕切られています。
グループで利用するときにありがたいです。

お手洗い、トイレ
2号車には多目的お手洗い、多目的トイレがあります。

多目的お手洗い、多目的トイレにはベビーキープもあります。

中に洗面台と大型の鏡があります。

1,2,4,5,6,7号車にもあります。

こちらは洋式便座のお手洗いです。

荷物置き場
車内には各所に荷物置き場があります。

携帯電話スペース
携帯電話の通話などに利用できる扉スペースがあります。

かつては公衆電話があった場所だと思われます。

特急みどりのおすすめ座席
特急みどりは絶景が見える区間はあまりありません。
博多~鳥栖は市街地、鳥栖~武雄温泉は田野の広がるのどかな風景。
武雄温泉~早岐までは山の中を縫うように走ります。
早岐から佐世保まではまた市街地を走行します。
唯一ほっとするのがこの田んぼの風景でしょうか。
この景色はどちらの窓側でも見えます。
博多行きでは自由席の8号車で前面展望が楽しめます。
自由席なので早い者勝ちです。

みどりの車内販売や自動販売機
特急みどりでは、車内販売や車内の自動販売機はありません。
(自動販売機は2022年3月でサービス終了になりました)
お食事や飲み物は、あらかじめ駅などで購入して乗車してください。
特急みどりの停車駅、所要時間
特急みどりは下記の駅に停車します。
博多=★二日市=鳥栖=新鳥栖=(吉野ヶ里公園)=佐賀=肥前山口=武雄温泉=有田=早岐=佐世保
(★二日市は一部列車が通過、吉野ヶ里公園は一部列車が停車)
所要時間は下記の通りです。
博多 | 大阪・新大阪
(新大阪~博多間はのぞみ利用) |
|
佐世保 | 1時間42分~1時間58分 | 4時間30分~4時間50分 |
有田 | 1時間15分~1時間28分 | 4時間~4時間20分 |
武雄温泉 | 1時間01分~1時間12分 | 3時間45分~4時間05分 |
佐賀 | 38分~45分 | 3時間25分~3時間35分 |
時刻は博多駅基準で7時台〜22時台までおおむね1時間に1本。
佐世保駅基準で6時台から20時台までおおむね1時間に1本で運行しています。
特急みどりの運賃、料金等
通常の運賃、料金
博多 | 大阪・新大阪
(新大阪~博多間はのぞみ利用) |
|
佐世保 | 4,500円
3,970円 |
19,000円
17,620円 |
有田 | 3,580円
3,050円 |
18,040円
16,660円 |
武雄温泉 | 3,410円
2,880円 |
18,040円
16,660円 |
佐賀 | 2,660円
2,130円 |
17,490円
16,110円 |
(上段:指定席、下段:自由席)
みどりに安く乗るには、お得な乗り方
JR九州ネット早得3
JR九州のネット予約です。
3日前までに予約すれば利用できます。
3日前であれば変更も可能です。
ポイントが1%つきます。
博多~佐世保:2,040円
JR九州ネットきっぷ
こちらネット予約で当日まで予約可能なきっぷです。
急に利用する場合でも安心です。
受取前なら何度でも変更可能です。
(予約した列車が出発した場合を除きます)
ポイントが1%つきますので「2枚きっぷ」よりもお得です。
博多~佐世保:2,350円
博多~早岐:2,350円
博多~武雄温泉:2,200円
博多~佐賀:1,100円
(指定席・自由席とも同じ料金です)
JR九州のネット予約は登録は無料で、クレジットカードを登録すればすぐに利用できます。
駅の窓口のほか、指定席券売機での受け取りも可能です。
2枚きっぷ(自由席)(指定席)
2枚買えばお得なきっぷ。
往復でも2人でも利用できます。
(指定席用)
福岡市内〜佐世保:大人4,700円(2,350円/枚)
(自由席用)
博多〜佐賀:大人2,500円(1,250円/枚)
博多〜肥前山口:大人3,680円(1,840円/枚)
インターネット早得きっぷ
インターネット早得きっぷはJR西日本、JR九州が発売する割引きっぷです。
14日前までのネット予約e5489の予約、購入で利用できます。
新幹線とみどり号の普通車指定席が利用できます。
価格は次の通りです。
新大阪・新神戸~佐世保:12,730円
eきっぷ
eきっぷはJR九州が発売するJQカード決済のインターネット予約専用特急券です。
JR九州インターネット予約で予約を行い、JQカードで決済した場合に発売されます。
新幹線と特急みどり号の指定席が利用できます。
特急券のみですので乗車券は別途必要です。
利用当日も予約可能です。
運賃も込みの値段は次の通りです。
佐世保~新大阪:15,810円
特急みどりと競合する交通機関との比較
特急みどりと同じ区間を運行する高速バス「させぼ号」があります。
また伊丹空港・関西空港から長崎空港経由でも佐世保に行けます。
博多~佐賀間は高速バス「わかくす号」(福岡~佐賀)があります。
博多~佐世保間、大阪~佐世保間の交通機関の比較をまとめました。
博多~佐世保の各交通機関の比較
運賃・料金 | 所要時間 | 運行本数 | |
JR(みどり) | 2,040円~4,500円 | 1時間42分~1時間58分 | 約1時間間隔 |
高速バス
(させぼ号) |
1,780円~2,310円 | 2時間~2時間26分 | 20~30分間隔 |
大阪~佐世保の各交通機関の比較
運賃・料金 | 所要時間 | 運行本数 | |
JR
(新幹線+みどり) |
12,730円~19,000円 | 5時間~5時間20分 | みどりは約1時間間隔 |
飛行機
(ANA,JAL) |
6,890円~30,610円 | 3時間45分
~4時間20分 |
8往復
(ANA4往復、JAL3往復、Peach1往復) |
博多~佐賀の各交通機関の比較
運賃・料金 | 所要時間 | 運行本数 | |
JR(リレーかもめ、みどり、かささぎ) | 1,150円~2,660円 | 40分 | 約20~30分間隔 |
高速バス
(わかくす号) |
950円~1,100円 | 1時間20分 | 15~30分間隔 |
各交通機関の解説
させぼ号
高速バスさせぼ号は西鉄バス、西肥自動車が共同運行する高速バスです。
所要時間と本数は次の通りです。
博多バスターミナル~佐世保バスセンター:約2時間~2時間26分
平日33.5往復、土日祝:34.5往復(20~30分間隔)
このほかにも西鉄天神高速BTにも停車するほか、福岡空港国際線ターミナルに停車する便ももあります。
運賃は博多駅BT~佐世保バスセンターで2,310円です。
往復乗車券で4,190円(2,095円/片道)、4枚つづり回数券で7,320円(1,830円/枚)、WEB割で2,260円、WEB回数券(4回利用)で7,120円(1,780円/回)まで安くなります。
飛行機利用
航空機は伊丹空港・関西空港から長崎空港まで就航しています。
長崎空港から佐世保まではリムジンバス利用となります。
伊丹空港~長崎空港
JAL、ANAが就航しています。
運行本数:1日7往復(JAL4往復、ANA3往復)
所要時間は次の通りです。
伊丹空港~長崎空港:約1時間05分~1時間25分
大阪駅・新大阪~佐世保駅:約3時間45分~4時間10分(リムジンバスの時間を含む)
運賃は次の通りです。
このほかにリムジンバス運賃が必要です。
(大阪・新大阪~伊丹空港:510円~650円 、長崎空港~佐世保駅前:1,400円、合計1,910円~2,050円)
運賃 | ANA | JAL |
通常運賃 | 28,360円 | 29,560円 |
バリュー3(ANA)
得便割引3(JAL) |
26,060円~26,560円 | 23,260円~26,640円 |
スーパーバリュー28(ANA)
先得割引(JAL) |
11,160円~20,060円 | 11,660円~17,160円 |
スーパーバリュー55(ANA)
スーパー先得(JAL) |
10,760円~12,760円 | 7,760円~8,260円 |
関西空港~長崎空港
Peachが就航しています。
運行本数:1日1往復
所要時間は次の通りです。
関西空港~長崎空港:約1時間20分
大阪駅~松山駅:約4時間20分(リムジンバスの時間を含む)
新大阪駅~松山駅:約4時間20分(リムジンバス、特急「はるか」の時間を含む)
運賃は3,890円~9,790円です。(2020年2月23日調べ)
このほかにリムジンバスや特急「はるか」の運賃、料金が必要です。
(大阪駅~関西空港:1,600円、新大阪~関西空港 特急「はるか」:2,380円、長崎空港~佐世保駅:1,400円、合計:3,000円~3,780円)
フライトの時刻やリムジンバスの情報については次のページもご覧ください。
わかくす号(福岡(天神)~佐賀)
所要時間と運行間隔は次の通りです。
所要時間:福岡(天神)~佐賀駅バスセンター:約1時間20分
運行間隔15分~30分間隔
運賃は福岡(天神)~佐賀で1,100円です。
往復乗車券で2,100円(片道1,050円)、回数乗車券(4回利用)で3,800円(950円/回)まで安くなります。
みどりにも乗れる宿泊も一緒ならさらにお得なJRセットプラン
特急みどりから乗り換えできる列車
博多駅
鳥栖駅
新鳥栖駅
肥前山口駅
特急「かもめ」
早岐駅
特急みどりとは
特急「みどり」は現在は博多~佐世保間を結ぶ特急列車です。
1976年(昭和51年)の長崎本線・佐世保線電化開業の時に、それまで小倉・博多~佐世保間を運行していた急行「弓張」の一部を特急に格上げして運行を開始しました。
「みどり」の愛称はさわやかな感じのするイメージの色「みどり」と「太陽と緑の国」九州にちなむとされます。
なお、「みどり」の愛称は1961年(昭和36年)から1975年(昭和50年)まで京阪神対九州を運転していた特急にも使用され、一時期は佐世保にも乗り入れていました。
新設された「みどり」は鹿児島本線の博多~鳥栖間で列車の増発が難しいことから、ほとんどの列車が長崎行きの「かもめ」を博多~肥前山口間で併結していました。
当初から4両編成で運行され短編成の特急として珍しい存在でした。
1982年(昭和57年)には急行「弓張」はすべて特急「みどり」に格上げされて、佐世保行きの昼間の優等列車はすべて「みどり」に統一されました。
1986年(昭和61年)には「かもめ」との併結運転がいったんなくなり、「みどり」の単独運転となります。
しかし、すぐに「かもめ」が増発となったので「みどり」との併結運転が再開されます。
1988年(昭和63年)に再開され、以後は併結の本数が拡大していきます。
1990年(平成2年)ごろには使用していた運行開始以来使用していた485系が赤色一色の塗装となり、「赤いみどり」として運行されます。
1992年(平成4年)には早岐~ハウステンボス間の電化が完成し、特急「ハウステンボス」が運行を開始します。
「ハウステンボス」はすべての列車が博多~早岐間で「みどり」と併結運転となります。
これにより、「かもめ」「みどり」「ハウステンボス」の3階建ての列車が運行されるようになります。
2000年(平成12年)には「みどり」で783系ハイパーサルーンが運行されるようになります。
2002年(平成14年)には16往復となり、現在の本数となります。
このとき増発された「みどり」は2003年(平成15年)まで885系で運行され「白いみどり」と呼ばれました。
883系は振り子車両なので、当時の485系「にちりん」と比べて20分以上の大幅なスピードアップが実現しました。
2011年(平成23年)には787系が「みどり」での運行を開始。
そして、「かもめ」との併結運転がなくなります。
現在は「ハウステンボス」との併結もしくは単独で運転する列車となっています。
特急みどりの関連商品
まとめ
・特急みどりは博多と佐世保を結ぶ特急列車
・783系と一部の列車は787系で運行されている
・コンセントはついていない
・飲み物の自動販売機が設置されていて便利
・ネット予約や2枚きっぷを活用すればお得に乗車できる
最後までお読みいただきありがとうございました。