(2021年5月8日更新)
大阪阿部野橋から奈良の吉野までを結ぶ近鉄の「さくらライナー」。
近鉄の一般の特急とは違い、飛鳥、吉野に向かう観光特急としてデビューしました。
世界遺産の吉野に向かうにあたり、快適に乗車できる特急電車です。
リニューアル後はデラックスカーも連結し、快適性も増しています。
ここでは飛鳥、吉野へ向かうさくらライナーの車内や設備、停車駅や運賃などを解説していきます。
さくらライナーの車両と編成
さくらライナーの使用車両
さくらライナーは近鉄26000系車両で運行されます。
26000系車両は4両編成が2編成のみで、使用列車が決められています。
時刻表に「SL」の表示がある列車がさくらライナーです。
朝にはさくらライナー同士を連結して8両編成で運行する列車もあります。

さくらライナーの編成
さくらライナー4両編成です。
阿部野橋方が1号車で、吉野方が4号車です。
デラックスカー3号車(8両編成は3、7号車)に連結されています。

さくらライナーの車内
デラックスカー
3号車(8両編成は7号車も)はデラックスカーです。

デラックスカーは1+2列のゆったりした座席です。
デラックスカー料金210円(通常料金510円で合わせて720円)で乗車できます。

幅が広く、ゆったりした座席です。

大小二つのテーブルがあります。
飲み物だけの時や弁当、パソコンを使いたい時など、その時の状況に応じて使い分けができます。
デラックスカーの座席には各席にコンセントがついています。


車両の端には吉野の桜が飾り付けられ、旅に向けてテンションが上がります。

レギュラーカー
4両編成のうち3両はレギュラーカーです。

レギュラーカーは2+2列の座席です。

座席間隔は広く、フットレストもありゆったりできます。

レギュラーカーもテーブルが大小2種類あります。
パソコン仕事や弁当を広げても大丈夫です。
コンセントはフットレストの間にあります。
2席に1か所です。


2号車(8両編成は6号車も)には車いすが固定できる座席があります。

お手洗い等
お手洗いは2号車と3号車(8両編成は6号車、7号車も)にあります。
2号車(8両編成は6号車も)は多目的お手洗いで広いお手洗いになっています。
ベビーチェアやおむつ替えの台があります。


お手洗いの前の洗面台です。
洗面台の横にはおしぼりがあります。
おしぼりは必要なときにここからセルフでもらいます。

3号車のお手洗いです。
コチラはコンパクトながら、ベビーチェアはあります。

喫煙室
4号車(8両編成は8号車も)の吉野方には喫煙室があります。
さくらライナーは喫煙室以外は全席禁煙です。

展望スペース
先頭車の運転室後ろには展望スペースがあります。
寄りかかれる背もたれ的なバーと、両端にはさくらの形をした椅子があります。
全面ガラス張りなので、前面がよく見えるとともに運転士さんの操作の様子もよく見えます。

さくらライナーには自動販売機がある
近鉄特急には車内販売はありませんが、ジュース類の自動販売機はあります。
さくらライナーには3号車(8両編成は7号車も)にジュース類の自動販売機があります。
さくらライナーでは車内販売はないので、食べ物などは事前に購入しておきましょう。

さくらライナーの停車駅、所要時間
さくらライナーは下記の駅に停車します。
大阪阿部野橋=(古市)=尺土=橿原神宮前=飛鳥=壺阪山=吉野口=福神=下市口=六田=大和上市=吉野神宮=吉野
古市に朝夕の一部の列車が停車します。
所要時間は下記の通りです。
大阪阿部野橋〜吉野:約1時間15分
大阪阿部野橋~下市口:約1時間
大阪阿部野橋〜飛鳥:約40分
さくらライナー車両を使用する列車
どの列車がさくらライナーの車両で運行されるか、下記リンクの時刻表から確認できます。
「SL」マークの列車がアーバンライナーです。
下記の近鉄HPにリンクしているPDFファイル時刻表から確認できます。
さくらライナーの運賃、料金等
通常の運賃、料金
大阪阿部野橋~吉野:合計1,510円(運賃990円、特急料金520円)
大阪阿部野橋~下市口:合計1,450円(運賃930円、特急料金520円)
大阪阿部野橋~飛鳥:合計1,220円(運賃720円、特急料金520円)
デラックスシートに乗車の際はデラックスシート料金210円を追加で乗車できます。
近鉄特急ネット予約でチケットレス特急券購入
近鉄特急によく乗る場合はネット予約でチケットレス乗車券購入がお得です。
特急料金の10%がポイントでもらえて、貯まったポイントで特急券を購入できます。
実質10%引きになりお得です。
チケットレスでしかポイントがもらえないので注意してください。
詳しくは下記の近鉄HPのリンクをご覧ください。
チケットレス限定、吉野チケットレス割

チケットレスでの購入で吉野エリア(橿原神宮前~吉野駅相互間)の特急がお得に利用できます。
2021年12月30日までの吉野エリア(橿原神宮前~吉野駅相互間)の特急券を、インターネット予約・発売サービスで購入してチケットレスで利用すると特急料金が320円になります。
通常価格は520円なので200円お得です。
チケットレスの購入のみです。
ネットでも窓口受取では割引にはなりません。
デラックスシート等を利用する場合は別途デラックス料金、特別車両料金等が必要です。
期間は2021年12月30日までです。
さくらライナー特急券の発売開始日、予約方法、空席照会
近鉄特急の予約は乗車1か月前の10時30分から近鉄主要駅の特急券窓口、主な旅行会社、インターネットで予約可能です。
インターネットでは空席照会も可能です。
シートマップも表示されるので希望の座席を確保することも可能です。
インターネットで予約して決済すれば、決済画面からスマホでチケットレス特急券を表示できます。駅での受け取りは必要ありません。
チケットレス特急券でなく仮予約をした場合は、前日までに特急券発売駅で受け取りが必要です。
さくらライナーとは
さくらライナーは近鉄の南大阪線、吉野線の特急用電車です。
大阪阿部野橋~吉野間を結んでいます。
1990年(平成2年)に登場し、2011年(平成23年)にリニューアルを受けています。
世界遺産に登録されている吉野山がさくらの名所であることからさくらライナーの相性がつけられています。
開発に当たっては「さくらコンセプト」を打ち出して設計に反映しています。
さ・・・さわやかデザイン
く・・・くつろぎ車内
ら・・・らうんど展望
さくらライナーは吉野に向かう観光列車的な要素が強いですが、朝晩の通勤輸送のニーズも満足する設計になっています。
さくらライナーで京都や難波、名古屋から吉野へはいけないの?
京都、難波、伊勢志摩、名古屋から橿原神宮前を通って吉野へは路線図上は繋がっています。
しかし、橿原神宮前で必ず乗り換えが必要となります。
では需要はないから走らせていないのでしょうか?
これは線路の幅が関係しています。
近鉄の大阪線や京都線、橿原線、名古屋線などの線路の幅は1,435㎜です。(新幹線や阪急、阪神などと同じ)
しかし、南大阪線や吉野線は1,067㎜です。(JR在来線や南海と同じ)
線路の幅が違うので、直通はできないんです。
とはいえインバウンドも好調な中で、新幹線で京都まで来て直通で吉野まで行く特急は需要があると近鉄も見ているようです。
今後は、車両のほうで車輪の幅を変える車両(フリーゲージトレイン)を開発して乗り入れる構想もあるとか。
近々ではないですが、数年後には京都発吉野行きの特急が実現しているかもしれません。
さくらライナーから乗り換えできる列車
大阪阿部野橋駅(JR天王寺駅)
特急「くろしお」、関空特急「はるか」、関空快速、紀州路快速、大和路快速
さくらライナーの関連商品
まとめ
・さくらライナーは大阪の阿部野橋から奈良の吉野までを結ぶ近鉄の特急電車
・専用の26000系車両で運行される
・4両編成で一部は8両編成でも運行される
・3号車(8両編成は3,7号車)はデラックスシート車両
・レギュラーカー、デラックスカーともコンセントがある
・飲み物の自動販売機が設置されていて便利
・近鉄のネット予約を利用すればポイントが付く
最後までお読みいただきありがとうございました。