(2020年8月31日作成)
近鉄南大阪線、吉野線特急の車両や座席、車内設備などを解説します。
大阪阿部野橋から奈良の吉野までを結び、終日30分間隔で運行しています。
世界遺産の吉野や飛鳥に向かう観光特急として、また沿線の通勤の足として活躍しています。
さくらライナーや青の交響曲などの個性的な特急も運行しています。
それでは解説していきます。
近鉄南大阪線、吉野線特急の車両と編成
近鉄南大阪線、吉野線特急の使用車両
近鉄南大阪線、吉野線特急はさくらライナーの26000系車両をはじめ一般特急車両の16400系、16600系のほか、古参の16000系でも運行します。
観光特急の青の交響曲、16200系も運行しています。
26000系「さくらライナー」です
26000系車両は4両編成が2編成のみで、使用列車が決められています。
時刻表に「SL」の表示がある列車がさくらライナーです。
朝にはさくらライナー同士を連結して8両編成で運行する列車もあります。
さくらライナーの車内や座席など詳しくは次の解説ページもご覧ください。

16600系です。
16400系の改良型で2009年(平成21年)に製造されました。

16400系です。
大阪、名古屋線系統の22000系の南大阪、吉野線特急版で1996年(平成8年)に製造されました。

16000系です。
近鉄で最古参の特急型車両です。
一部の車両は廃車されましたが、残る車両はリニューアルされました。
製造後40年以上たちますがまだまだ活躍しそうです。

16200系「青の交響曲」です。
大阪阿部野橋~吉野間を1日2往復しています。
「青の交響曲」の車内やサービスなどの詳細は次のページもご覧下さい。

近鉄南大阪線、吉野線特急の編成
近鉄南大阪線、吉野線特急は2両編成、4両編成、6両編成、8両編成で運行します。
橿原神宮前~吉野間はホームが4両編成分しかないので、6両編成以上は橿原神宮前で分割併合します。
近鉄南大阪線、吉野線特急の車内
26000系さくらライナー
さくらライナーの車内や座席など詳細は次のページもご覧ください。

さくらライナーは3号車にデラックスカーを連結しています。
デラックスカーは1+2列のゆったりした座席です。
デラックスカー料金210円(通常料金510円で合わせて720円)で乗車できます。

レギュラーカーは2+2列の座席です。

さくらライナーの車内や座席など詳細は次のページもご覧ください。
16600系
16600系の車内
南大阪線、吉野線特急ではもっとも最新の16600系の車内です。
16000系は全車両レギュラーシートです。

大型テーブルとドリンクテーブルを備えています。

車両端部の座席はパソコンも利用しやすい大型テーブルを備えています。

16600系や16400系はコンセントが設置されています。
前方のテーブルの下にコンセントがあります。

16600系のお手洗い、トイレ
16600系には多目的お手洗い、多目的トイレが設置されています。
円形の扉で、車いすでの出入りもしやすい形状です。

おむつ取り換え台やばびーキープが設置されています。

16600系の喫煙ルーム
吉野方の先頭車には喫煙ルームが設置されています。

2,3人が同時に入ることができる広さです。

16000系
16000系の車内
16600系の車内です。
淡いピンクのシート地の座席が並びます。

大型テーブルはなく、手すりにはドリンクテーブルがります。

16000系のお手洗い、トイレ等
16000系のお手洗いは多目的ではありません。

多目的ではありませんがリニューアルされており、ウォシュレットや便座クリーナを備えています。

16000系の喫煙ルーム
16000系も吉野方の先頭車に喫煙ルームがあります。

2人入ればいっぱいになるくらいのスペースです。

16200系青の交響曲
16200系の「青の交響曲」の車内やサービスなどの詳細は次のページもご覧下さい。

青の交響曲の1号車、3号車には デラックスシートが配置されています。
深いグリーンに金糸がはいったふんわりした座席。
木目調の化粧板に落ち着いたブラウンのカーペット。
ホテルでくつろいでるかのような車内です。

「青の交響曲」の車内やサービスなどの詳細は次のページもご覧下さい。
近鉄南大阪線、吉野線特急には自動販売機はあるか
近鉄南大阪線、吉野線の特急はさくらライナーには自動販売機が設置されています。
さくらライナーには3号車(8両編成は7号車も)にジュース類の自動販売機があります。
それ以外の特急車両には自動販売機はありません。
車内販売はないので、食べ物などは事前に購入しておきましょう。

近鉄南大阪線、吉野線特急の停車駅
近鉄南大阪線、吉野線の特急は下記の駅に停車します。
大阪阿部野橋=(古市)=尺土=高田市=橿原神宮前=飛鳥=壺阪山=吉野口=福神=下市口=六田=大和上市=吉野神宮=吉野
古市に朝夕の一部の列車が停車します。
近鉄南大阪線、吉野線特急の所要時間、運賃、料金
所要時間、運賃、料金は下記の通りです。
(平均所要時間)
大阪阿部野橋 | 30分 | 35分 | 35分 | 50分 | 1時間 | 1時間15分 |
1,090円
1,300円 |
尺土 | 3分 | 10分 | 25分 | 35分 | 50分 |
1,090円
1,300円 |
680円
890円 |
高田市 | 7分 | 20分 | 30分 | 45分 |
1,160円
1,370円 |
780円
990円 |
730円
940円 |
橿原神宮前 | 15分 | 25分 | 40分 |
1,310円
1,520円 |
900円
1,110円 |
900円
1,110円 |
800円
1,010円 |
吉野口 | 10分 | 25分 |
1,450円
1,660円 |
1,000円
1,210円 |
1,000円
1,210円 |
910円
1,120円 |
800円
1,010円 |
下市口 | 15分 |
1,510円
1,720円 |
1,120円
1,330円 |
1,120円
1,330円 |
1,000円
1,210円 |
910円
1,120円 |
800円
1,010円 |
吉野 |
(上段:運賃と特急料金含む、下段、運賃、特急料金、デラックス料金含む)
さくらライナー車両を使用する列車
どの列車がさくらライナーの車両で運行されるか、下記リンクの時刻表から確認できます。
「SL」マークの列車がアーバンライナーです。
下記の近鉄HPにリンクしているPDFファイル時刻表から確認できます。
近鉄南大阪線、吉野線特急のお得なきっぷ、乗り方
近鉄特急ネット予約でチケットレス特急券購入
近鉄特急によく乗る場合はネット予約でチケットレス乗車券購入がお得です。
特急料金の10%がポイントでもらえて、貯まったポイントで特急券を購入できます。
実質10%引きになりお得です。
チケットレスでしかポイントがもらえないので注意してください。
詳しくは下記の近鉄HPのリンクをご覧ください。
チケットレス限定、吉野チケットレス割

チケットレスでの購入で吉野エリア(橿原神宮前~吉野駅相互間)の特急がお得に利用できます。
2021年12月30日までの吉野エリア(橿原神宮前~吉野駅相互間)の特急券を、インターネット予約・発売サービスで購入してチケットレスで利用すると特急料金が320円になります。
通常価格は520円なので200円お得です。
チケットレスの購入のみです。
ネットでも窓口受取では割引にはなりません。
デラックスシート等を利用する場合は別途デラックス料金、特別車両料金等が必要です。
期間は2021年12月30日までです。
近鉄南大阪線、吉野線特急の発売開始日、予約方法、空席照会
近鉄特急の予約は乗車1か月前の10時30分から近鉄主要駅の特急券窓口、主な旅行会社、インターネットで予約可能です。
インターネットでは空席照会も可能です。
シートマップも表示されるので希望の座席を確保することも可能です。
インターネットで予約して決済すれば、決済画面からスマホでチケットレス特急券を表示できます。駅での受け取りは必要ありません。
チケットレス特急券でなく仮予約をした場合は、前日までに特急券発売駅で受け取りが必要です。
近鉄南大阪線、吉野線特急と競合する交通機関の比較
近鉄南大阪線、吉野線特急と同じ区間を運行する交通機関は近鉄南大阪線、吉野線急行があります。
大阪阿部野橋~橿原神宮前・吉野間の交通機関の比較をまとめました。
大阪阿部野橋~橿原神宮前の交通機関の比較
価格 | 所要時間 | 運行本数 | |
近鉄特急 | 1,160円 | 約35分 | 30分~30分間隔 |
近鉄急行 | 540円 | 約40分 | 30分間隔 |
大阪阿部野橋~吉野の交通機関の比較
価格 | 所要時間 | 運行本数 | |
近鉄特急 | 1,510円 | 約1時間15分 | 30分~60分間隔 |
近鉄急行 | 990円 | 約1時間35分 | 30分間隔 |
近鉄南大阪線、吉野線急行
近鉄急行の吉野行きは終日にわたり1時間あたり2本を運行しています。
近鉄急行は運賃のみで乗車できます。
停車駅は次の通りです。
大阪阿部野橋=古市=尺土=高田市=橿原神宮前=(各駅停車)=吉野
近鉄南大阪線、吉野線急行の所要時間は次の通りです。
所要時間 | |
大阪阿部野橋~橿原神宮前 | 約37分~42分 |
大阪阿部野橋~下市口 | 約1時間10分~1時間15分 |
大阪阿部野橋~吉野 | 約1時間30分~1時間40分 |
運賃は次の通りです。
(近鉄急行は運賃のみで乗車できます)
運賃 | |
大阪阿部野橋~橿原神宮前 | 540円 |
大阪阿部野橋~下市口 | 930円 |
大阪阿部野橋~吉野 | 990円 |
近鉄南大阪線、吉野線特急とは
近鉄の南大阪線、吉野線特急(吉野特急)は1965年(昭和40年)に運行を開始しました。
東海道新幹線が開業し、京都から京都線、橿原線特急(京橿特急)と乗り継ぎで吉野までの誘客を図るも目的で設定されました。
当初は東海道新幹線開業と同時に運行を開始する予定でしたが、当時はとっきゅ用車両がなかったため、1965年(昭和40年)に16000系が完成してから運行を開始しました。
すべての列車が橿原神宮前で京橿線特急と接続しました。
運行開始当初の停車駅は阿部野橋、橿原神宮前、下市口、大和上市、吉野神宮、吉野でした。
しかし、吉野地区の観光客の減少、飛鳥、葛城地区の観光需要の掘り起こし、通勤需要をはじめとした沿線の利用者の増加により、平成に入って停車駅が増加し、1999年(平成11年)には11駅まで増えました。
2012年(平成24年)にはラッシュ時に古市駅に停車するようになり、現在の停車駅となります。
本数は運行開始当初は6往復でしたが、徐々に車両増備とともに増発され、早くに30分間隔体制となrました。
現在は昼間の時間帯は1時間間隔となっていますが、概ね30分間隔を維持しています。
使用車両は吉野特急25周年を記念して1990年(平成2年)にさくらライナー26000系が導入されます。
2013年(平成25年)には観光特急「青の交響曲」が6200系を改造した16200系で運行を開始します。
近鉄南大阪線、吉野線特急で京都や難波、名古屋から吉野へはいけないの?
京都、難波、伊勢志摩、名古屋から橿原神宮前を通って吉野へは路線図上は繋がっています。
しかし、橿原神宮前で必ず乗り換えが必要となります。
では需要はないから走らせていないのでしょうか?
これは線路の幅が関係しています。
近鉄の大阪線や京都線、橿原線、名古屋線などの線路の幅は1,435㎜です。(新幹線や阪急、阪神などと同じ)
しかし、南大阪線や吉野線は1,067㎜です。(JR在来線や南海と同じ)
線路の幅が違うので、直通はできないんです。
今後は、車両のほうで車輪の幅を変える車両(フリーゲージトレイン)を開発して乗り入れる構想もあるとか。
近々ではないですが、数年後には京都発吉野行きの特急が実現しているかもしれません。
近鉄南大阪線、吉野線特急から乗り換えできる列車
大阪阿部野橋駅(JR天王寺駅)
特急「くろしお」、関空特急「はるか」、関空快速、紀州路快速、大和路快速
橿原神宮前駅
近鉄京都、橿原線特急(ビスタカーなど)
さくらライナーの関連商品
まとめ
・南大阪線、吉野線の特急は大阪の阿部野橋から奈良の吉野までを結ぶ
・ほぼ終日30分間隔で運行している
・さくらライナーの3号車(8両編成は3,7号車)はデラックスシート車両
・コンセントがある車両が多い
・さくらライナーには飲み物の自動販売機が設置されていて便利
・近鉄のネット予約を利用すればポイントが付く
最後までお読みいただきありがとうございました。