(2021年5月9日更新)
熊本から肥薩線を通り人吉、さらに吉松まで結ぶ特急「いさぶろう・しんぺい」について解説します。
(2020年7月の熊本豪雨災害に伴い特急「いさぶろう・しんぺい」の熊本~人吉~吉松間は運休しています)
(土日祝日は博多~門司港間で「かわせみやませみ」と連結して臨時列車として運行しています。)
ベンチシートや車窓を眺めるカウンターなど乗って楽しい仕掛けが満載で、車内販売もあります。
この記事では特急「いさぶろう・しんぺい」の車両、座席、車内設備、お手洗いなどを解説します。
特急いさぶろう・しんぺいの車両と編成
使用車両
特急「いさぶろう・しんぺい」はキハ47系を改造した専用車両で運行します。
1号車のキハ47 8159です。
古代漆色の車体で艶があり、輝いています。

2号車のキハ140 2125です。
車両検査時は同じ仕様の予備車両で運行する場合があります。

編成
特急「いさぶろう・しんぺい」の編成です。
(現在は豪雨災害のため運休しており下の編成とは異なります)
基本は一番上ののA編成で、自由席が2号車にあります。
自由席はの7席のみですので指定券を確保することをお勧めします。
増結や車両の都合により自由席車両が変更となります。
予約や乗車の際は注意してください。
(いさぶろう・しんぺいの人吉~吉松間は上下とも普通列車となります。人吉~吉松間は青春18きっぷでも乗車できます、ただし指定席を利用の際は指定券が必要です。)

ひのとりの車内と設備
1号車 キハ47 8159
木製ベンチ風のシートが並びます。

ボックスシートでテーブルがあります。

お手洗いの前はソファー席です。

この日はC編成でしたので1号車が自由席がある車両です。
運転席後部の席が自由席です。

自由席も指定席と同じ仕様の座席です。
テーブルのついたボックスシートです。

お手洗いの前には人吉~吉松間の沿線案内図があります。

2号車 キハ140-2125
こちらも木目格子のベンチ風ボックスシートが並びます。

ボックスシートにはテーブルもあります。


中央部にはカンターがあり、大きな窓があります。
車窓を楽しむのによい場所です。

お手洗い、トイレ
1号車のキハ47 8159お手洗いは多目的お手洗いです。
車いすの方も利用できる多目的お手洗いです。
(編成によって位置やお手洗いの仕様が異なる場合があります)

お手洗いにはベビーキープが設置されています。


2号車のキハ140-2125にもお手洗い、トイレがあります。

こちらは洋式便座のお手洗いのみです。

いさぶろう・しんぺいのおすすめ座席
いさぶろう・しんぺいでは矢岳~真幸間で霧島連山を望むダイナミックな車窓が楽しめます。
この車窓を楽しむには奇数番号(1,3,5,7・・・)の席を確保しましょう。

線路際に案内看板が設置してあり、ここで列車は一旦停止してくれるのでわかりやすいです。

いさぶろう・しんぺいの見どころ
大畑駅
大畑駅ではスイッチバックするとともに、昔のレトロな駅舎を見学できます。

記念に名刺を貼っていく人が多いようです。

人吉から乗車して大畑駅を出発すると、スイッチバック後に大畑駅が下に見えます。

スイッチバックの様子は車内に設置してあるモニターで運転台のカメラの映像を見ることができます。

矢岳駅
矢岳駅もレトロな木造駅舎で雰囲気がいいところです。

近くにはSL展示館があります。

5分ほどの停車時間ですが、肥薩線で活躍したSLを見ることができます。

矢岳・真幸間
矢岳・真幸間では霧島連山を望むダイナミックな車窓が楽しめます。
列車は長めの良いところで一旦停止してくれます。

真幸駅
真幸駅は肥薩線で唯一宮崎県のある駅です。

真幸駅で「真の幸せ」にちなんでか幸せの鐘があります。


いさぶろう・しんぺいの車内販売
「いさぶろう・しんぺい」では駅弁や地元の特産品、オリジナルグッズなどの車内販売を行っています。
価格はすべて税込みです。
くりめし弁当:1,250円
携帯ストラップ:840円
いさぶろう・しんぺい立体キーホルダー:740円
ピンバッジセット:1,100円

いさぶろう・しんぺいの運行路線、停車駅、運行時刻
博多~門司港の特急かわせみやませみの停車駅、運行区間、時刻
現在は特急いさぶろう・しんぺいは主に土日祝日で博多~門司港間で運行しています。
特急「かわせみやませみ」と併結して運行しています。
全車指定席での運行です。

運行区間、停車駅
停車駅は次の通りです。
博多=香椎=折尾=黒崎=小倉=門司=門司港
運行時刻
主な駅の発着時刻は次の通りです。
博多発 | 小倉発 | 門司発 | 門司港着 | |
かわせみ やませみ92号
しんぺい92号 |
10:39 | 12:01 | 12:07 | 12:16 |
門司港発 | 門司発 | 小倉発 | 博多着 | |
かわせみ やませみ91号
いさぶろう91号 |
15:19 | 15:27 | 15:34 | 17:00 |
車内販売
車内では応援企画として人吉、球磨地方の商品を販売しています。
球磨焼酎や球磨茶、くりり最中アイスなどを販売しています。

運賃、料金
指定席特急券込みの大人一人たりの運賃、料金は次の通りです。
博多~門司港:2,550円
博多~小倉:2,360円
通常の特急いさぶろう・しんぺいの運行区間、停車駅
(2020年7月の熊本豪雨災害に伴い特急「いさぶろう・しんぺい」の熊本~人吉~吉松間は運休しています)
(土日祝日は博多~門司港間で「かわせみやませみ」と連結して臨時列車として運行しています。)
「いさぶろう・しんぺい」は人吉~吉松間で運行しています。
特急「いさぶろう・しんぺい」は熊本~吉松間で運行しています。(いさぶろう・しんぺいの人吉~吉松間は上下とも普通列車となります。人吉~吉松間は青春18きっぷでも乗車できます、ただし指定席を利用の際は指定券が必要です。)
「いさぶろう・しんぺい」の停車駅は次の通りです。
熊本=新八代=八代=坂本=一勝地=渡=人吉=大畑=矢岳=真幸=吉松
熊本~八代間は鹿児島本線、八代~吉松間は肥薩線を運行します。
人吉~吉松は日本三大車窓の一つで霧島連山が連なるダイナミックな車窓が楽しめます。
またスイッチバックやループ線など鉄道路線としても珍しい見どころが慢性です。
特に大畑駅はループ線の途中にスイッチバックがある日本唯一の駅です。

通常の特急かわせみやませみの運行時刻
(2020年7月の熊本豪雨災害に伴い特急「かわせみやませみ」の熊本~人吉間は運休しています)
(土日祝日は博多~門司港間で「いさぶろう・しんぺい」と連結して臨時列車として運行しています。)
特急「いさぶろう・しんぺい」の運行時刻表は次の通りです。
(いさぶろう・しんぺいの人吉~吉松間は上下とも普通列車となります。人吉~吉松間は青春18きっぷでも乗車できます、ただし指定席を利用の際は指定券が必要です。)
駅名/番号 | 特急いさぶろう
1号 |
いさぶろう
3号 |
熊本 | 8:31発 | ー |
新八代 | 8:59発 | ー |
八代 | 9:04発 | ー |
坂本 | 9:16発 | ー |
一勝地 | 9:49発 | ー |
渡 | 9:56発 | ー |
人吉 | 10:04着
10:09発 |
13:14発 |
大畑 | 10:24着
10:30発 |
13:30着
13:35発 |
矢岳 | 10:54着
11:01発 |
13:59着
14:05発 |
真幸 | 11:15着
11:21発 |
14:18着
14:24発 |
吉松 | 11:30着 | 14:33着 |
備考 | 熊本~人吉間は特急列車
人吉~吉松間は普通列車 |
駅名/番号 | しんぺい
2号 |
特急しんぺい
4号 |
吉松 | 11:41発 | 15:15発 |
真幸 | 11:54着
12:00発 |
15:28着
15:34発 |
矢岳 | 12:19着
12:26発 |
15:53着
16:00発 |
大畑 | 12:41着
12:46発 |
16:16着
16:22発 |
人吉 | 12:58着 | 16:34着
16:43発 |
渡 | ー | 16:51発 |
一勝地 | ー | 16:59発 |
坂本 | ー | 17:34発 |
八代 | ー | 17:47着
17:48発 |
新八代 | ー | 17:52着
17:53発 |
熊本 | ー | 18:18着 |
備考 | 吉松~人吉間は普通列車
人吉~熊本間は特急列車 |
いさぶろう・しんぺいの運賃・料金
「いさぶろう・しんぺい」は人吉~吉松間は普通列車です。
2号車の7席分は自由席ですので乗車券のみで乗車できます。
その他は指定席です。
青春18きっぷでも自由席で利用できますが、ゆっくり眺望を楽しみたいときは指定席を確保することをお勧めします。
JR九州ネット予約でも「いさぶろう・しんぺい」の予約ができます。
いさぶろう1号、しんぺい4号の熊本~人吉間は特急列車です。
熊本~人吉間で利用する場合は乗車券のほかに特急券が必要です。
この時も自由席は2号車の7席のみなので、ゆっくり座りたい場合は指定席を確保することをお勧めします。
主な区間の価格(乗車券、指定席特急券込み、通常期)は次のとおりです。
熊本~吉松:指定席4,010円
八代~吉松:指定席3,220円
人吉~吉松:指定席1,290円
いさぶろう・しんぺいにも乗れる!宿泊も一緒ならさらにお得なJRセットプラン
いさぶろう・しんぺいから乗り換えできる列車
熊本駅
特急「A列車で行こう」
新八代駅
人吉駅
特急「かわせみやませみ」(運休中)、快速「SL人吉」(運休中)
いさぶろう・しんぺいの関連商品
いさぶろう・しんぺいとは
「いさぶろう・しんぺい」は1996年(平成8年)に運行を開始しました。
運行当初は人吉~吉松間の普通列車に「いさぶろう」、「しんぺい」の列車名を付けて運転しました。
車両もほかの普通列車と同じキハ31系でした。
2004年(平成16年)に九州新幹線部分開業に伴うダイヤ改正が行われ、このときから「いさぶろう・しんぺい」専用に改造されたキハ140形車両で運行を始めました。
2005年(平成17年)には臨時列車を定期列車化して1日2往復の運転となりました。
好評で一般形車両を増結することが多かったので、2009年(平成21年)までに追加でキハ47形車両を改造しました。
2016年(平成28年)には「くまがわ」廃止に伴い、「いさぶろう1号」、「しんぺい4号」を熊本まで延長して運転をするようになりました。
熊本~人吉間は当初は快速列車として運転していましたが、2017年(平成29年)には熊本~人吉間は特急列車化されました。
まとめ
・特急いさぶろう・しんぺいは熊本と人吉、吉松を結ぶ特急列車
・人吉~吉松間は普通列車として運行
・2020年豪雨災害で肥薩線が被災したため運休中
・2020年11月までは博多~門司港間で運行している
・肥薩線の雄大な車窓が楽しめるように大きな窓やカウンターなどが設置されている
最後までお読みいただきありがとうございました。