(2020年8月14日作成)
阪神山陽直通特急の車内や座席、停車駅やお得なきっぷなどを解説します。
大阪のキタの中心である梅田から神戸の繁華街である三宮、明石などを通り山陽姫路までを結ぶのが阪神山陽直通特急です。
スピードはやや遅めですがこまめに要所に停車して便利な直通特急を路用する際の参考にしてください。
阪神山陽直通特急の車両と編成
阪神山陽直通特急の使用車両
阪神は急行系車両のすべてが直通特急に使用されます。
8000系、9000系、9300系、1000系で運行します。
山陽電車は主に5000系、5030系を中心に6000系も一部の列車で運行します。
写真は山陽5000系です。

こちらは阪神8000系です。

阪神山陽直通特急の編成
阪神山陽直通特急はすべて6両編成で運行します。
阪神山陽直通特急の車内と座席
阪神山陽直通特急の車内
阪神山陽直通特急の車内と座席は形式により異なります。
阪神は8000系、9300系の一部車両は転換クロスシートです。
1000系や9000系はすべてロングシートです。
山陽電車はすべてクロスシートの列車と、一部にロングシートの車両がある列車があります。
山陽5000系の車内江尾見てます。

この編成は中間車は2+1の3列クロスシートです。
クロスシートは転換でき、向きを変えることができます。
2+2の4列クロスシートの車両もあります。

優先座席はロングシートです。
優先座席は深緑色の座席です。

こちらは阪神9300系です。
9300系は先頭車がロングシート、中間車はクロスシートです。

中間車の車内です。

クロスシートは転換でき、向きを変えて利用できます。


先頭車はロングシートです。

車両の端には優先座席があります。
パープル色の座席です。

お手洗い、トイレ等
阪神山陽直通特急にはお手洗い、トイレがありません。
駅などのお手洗い、トイレを利用してから乗車してください。
阪神山陽直通特急の停車駅や所要時間など
阪神山陽直通特急の停車駅
阪神・山陽直通特急の停車駅は次の通りです。
大阪梅田=尼崎=★甲子園=西宮=芦屋=魚崎=御影=神戸三宮=元町=◎西元町=高速神戸=新開地=◎大開=高速長田=◎西代=板宿=月見山=山陽須磨=(滝の茶屋)=山陽垂水=舞子公園=山陽明石=東二見=高砂=(荒井)=大塩=(白浜の宮)=飾磨=山陽姫路
(★甲子園は平日の一部の直通特急が通過)
(◎西元町、◎大開、◎西代は約半数の列車が停車)
(滝の茶屋、荒井、白浜の宮はラッシュ時に停車)
阪神特急の停車駅は次の通りです。
大阪梅田=尼崎=甲子園=芦屋=魚崎=御影=神戸三宮=(各駅停車)=須磨浦公園
阪神山陽直通特急の所要時間
阪急神戸線特急の所要時間は次の通りです。
西宮 | 神戸三宮 | 新開地 | 山陽須磨 | 山陽明石 | 山陽姫路 | ||
大阪梅田 | 16~18分 | 32~36分 | 39~47分 | 50~61分 | 62~77分 | 95~108分 | |
西宮 | 270円 | 西宮 | 15~17分 | 23~27分 | 33~41分 | 45~54分 | 79~89分 |
神戸三宮 | 320円 | 270円 | 神戸三宮 | 7~8分 | 18~23分 | 30~39分 | 62~73分 |
新開地 | 450円 | 400円 | 130円 | 新開地 | 10~16分 | 22~29分 | 54~66分 |
山陽須磨 | 660円 | 610円 | 330円 | 310円 | 山陽須磨 | 12~14分 | 44~52分 |
山陽明石 | 920円 | 870円 | 600円 | 580円 | 370円 | 山陽明石 | 32~38分 |
山陽姫路 | 1,300円 | 1,250円 | 980円 | 960円 | 810円 | 370円 | 山陽姫路 |
阪神山陽直通特急にお得にのるには
平日の10時〜16時、土休日に3人以上で異動するなら回数券がお得です。
平日10時〜16時の時差回数券は5枚分の値段で6枚。
土休日回数券は5枚分の値段で7枚買えます。
時差回数券、土休日回数券は自動券売機で買えます。
神戸高速、山陽電車の連絡回数券も発売しています。
例:大阪梅田〜神戸三宮を平日10時〜16時に3人で往復
時差回数券:6枚で1,600円、一人当たり往復533円
例:大阪梅田〜神戸三宮を土休日に4人で往復
土休日回数券:7枚で1,600円、切符1枚追加320円。
合計1,920円で一人当たり往復480円
運行時間帯、運行間隔
ほぼ終日にわたって運行しています。
ラッシュ時は8分~12分間隔、昼間以降は10分間隔で運行しています。
(梅田~須磨浦公園間の阪神特急も含みます)
山陽線内はラッシュ時は朝ラッシュ時は12分間隔、その他の時間帯はおおむね15分間隔です。
阪神山陽直通特急と競合する交通機関の比較
大阪(梅田)~神戸三宮の交通機関の比較
運賃 | 所要時間 | 運行本数 | |
JR新快速 | 410円 | 約21分 | 15分間隔 |
阪急神戸線特急 | 320円 | 約27分~35分 | 10分間隔 |
阪神山陽直通特急・阪神特急 | 320円 | 約31分~40分 | 10分間隔 |
大阪~姫路の交通機関の比較
運賃 | 所要時間 | 運行本数 | |
JR新快速 | 1,520円 | 約63分 | 15分間隔 |
阪神・山陽直通特急 | 1,300円 | 約95分~105分 | 15分間隔 |
新幹線
(大阪~新大阪間は在来線利用) |
3,280円~4,020円 | 約44分 | 1時間に2~5本 |
各交通機関の解説
JR新快速
JRの新快速は米原から京都、大阪、三宮を経由して姫路方面まで向かいます。
新快速の停車駅は次の通りです。
敦賀・近江塩津=(各駅停車)米原=彦根=能登川=近江八幡=野洲=守山草津=南草津=石山=大津=山科=京都=高槻=新大阪=大阪=尼崎=芦屋=三ノ宮=神戸=明石=西明石=加古川=姫路=(各駅停車)=網干・上郡・播州赤穂
新快速の京都~大阪~姫路間の運行間隔はラッシュ時と早朝、深夜以外は終日ほぼ15分間隔で運行しています。
新快速の所要時間と運賃を表に示します。
野洲 | 草津 | 大津 | 京都 | 大阪 | 三ノ宮 | 明石 | 加古川 | 姫路 | ||
米原 | 680円 | 860円 | 990円 | 1,170円 | 1,980円 | 2,640円 | 3,080円 | 3,410円 | 3,410円 | |
野洲 | 25分 | 野洲 | 200円 | 330円 | 510円 | 1,340円 | 1,980円 | 2,310円 | 2,640円 | 3,080円 |
草津 | 32分 | 6分 | 草津 | 240円 | 420円 | 1,170円 | 1,690円 | 1,980円 | 2,310円 | 2,640円 |
大津 | 43分 | 18分 | 11分 | 大津 | 200円 | 990円 | 1,520円 | 1,980円 | 2,310円 | 2,640円 |
京都 | 53分 | 28分 | 20分 | 9分 | 京都 | 570円 | 1,100円 | 1,610円 | 1,980円 | 2,310円 |
大阪 | 83分 | 58分 | 50分 | 39分 | 28分 | 大阪 | 410円 | 940円 | 1,340円 | 1,520円 |
三ノ宮 | 106分 | 81分 | 73分 | 62分 | 51分 | 21分 | 三ノ宮 | 400円 | 770円 | 990円 |
明石 | 122分 | 97分 | 89分 | 78分 | 67分 | 37分 | 15分 | 明石 | 330円 | 680円 |
加古川 | 137分 | 112分 | 103分 | 93分 | 83分 | 52分 | 30分 | 14分 | 加古川 | 330円 |
姫路 | 147分 | 122分 | 113分 | 103分 | 92分 | 63分 | 40分 | 25分 | 10分 | 姫路 |
阪急神戸線特急
阪急神戸線特急は大阪梅田から神戸三宮を経由して新開地(神戸)間を運行しています。
梅田、三宮ともJRや阪神の駅と5分~10分程度で乗り換えができます。
大阪梅田~神戸三宮間の阪急神戸線特急の所要時間は約27分~35分です。
阪急神戸線特急・通勤特急の停車駅は次の通りです。
大阪梅田=十三=(塚口)=西宮北口=夙川=岡本=神戸三宮=花隈=高速神戸=新開地
(通勤特急は塚口にも停車)
運行間隔は特急・通勤特急合わせて早朝・深夜・ラッシュ時を除き10分間隔です。
運賃・料金は大阪梅田~神戸三宮間で320円です。
東海道・山陽新幹線
新大阪~姫路は新幹線も選択肢に入ります。
新幹線の所要時間と運賃・料金は次の通りです。
米原 | 京都 | 大阪 | 姫路 | |
米原 | ― | 3,460円
2,160円 |
5,040円
4,510円 |
6,680円
5,940円 |
京都 | 19分 | ― | 3,070円
1,440円 |
5,690円
4,840円 |
大阪 | 53分 | 29分 | ― | 4,020円
3,280円 |
姫路 | 78分 | 44分 | 44分 | ― |
(運賃・料金は上段:指定席、下段:自由席)
(京都・新大阪~姫路間は可能な限りのぞみ号・みずほ号を利用した運賃・料金・時間を表示、指定席料金は通常期で計算(閑散期・繁忙期は200円増減します)
運行間隔は次の通りです。
米原に停車する「ひかり」、「こだま」はおおむね1時間に2本です。
姫路に停車する新幹線はおおむね1時間に2~3本です。
阪神山陽直通特急から乗り換えできる列車
尼崎駅
神戸三宮駅
高速神戸駅、新開地駅
山陽明石駅
山陽姫路駅
阪神山陽直通特急の概要
阪神、山陽直通特急は1998年(平成10年)から運行を開始しました。
神戸高速鉄道を介した阪神、阪急、山陽の直通運転は1968年(昭和43年)から続いていました。
運行形態は阪急、阪神車が須磨浦公園まで、山陽車が阪神大石、阪急六甲までの直通運転で、種別は主に特急が乗り入れていました。
直通運転開始後は阪急神戸線は8両編成が主になり、ラッシュ時は10両編成も運転するようになりました。
神戸高速線内は新開地より大阪方は8両編成に対応していましたが、新開地より姫路方は6両編成までの対応で阪急特急は三宮、西宮北口での分割併合を頻繁に行っていました。
転機となったのは阪神大震災で、いち早く復旧を開始したJRに乗客を奪われた各社は対抗策として、神戸高速線開業当初から計画のあった梅田~姫路間の直通運転の実施が再度浮上します。
山陽線内は6両編成が最長であることから、阪神と山陽の乗り入れで案がまとまり、阪急は新開地までの乗り入れとすることとしました。
こうして直通特急は1998年(平成10年)に運行を開始して、以後は阪急は新開地までの乗り入れとなりました。
新快速に対して所要時間は大きく劣りますが、JRと隣接していない駅からは乗り換えなしで梅田に行けるということで需要を開拓しました。
2001年(平成13年)には運行間隔を30分から15分間隔と本数を倍増させ、山陽特急はほぼすべての列車が直通特急となりました。
所要時間が劣る分は停車駅をこまめに増やして対抗し、運行当初の16駅から現在は最大27駅停車で運行しています。
また2009年(平成21年)には阪神なんば線が開業し、尼崎で同じホームで乗り換えることで難波にもいけるなど利便性も増しています。
阪神山陽直通特急の関連商品
おわりに
・阪神山陽直通特急は主に大阪梅田~姫路間を運行している
・こまめに停車し、15分間隔で運行しており便利
・クロスシートの車両もある