(2022年4月30日作成)
大阪のミナミから名張や青山町、伊勢方面を結ぶ近鉄の大阪線急行を解説します。
大阪の上本町から橿原市の大和八木、桜井、榛原を経由して名張や青山町をとおり、松阪、伊勢市、宇治山田、五十鈴川までを結びます。
ここでは近鉄大阪線急行の車両や座席、停車駅、料金、車内設備などを解説します。
近鉄大阪線急行の車両と編成
使用車両
近鉄大阪線急行の使用車両は近鉄大阪線の一般形車両がどれでも運行されます。
ここでは代表的な車両を紹介します。
5820系
大阪線の5820系は2002年(平成14年)に登場しました。
ロングシートとクロスシートに切替できるデュアルシートを備えたL/Cカーです。

5800系
5800系は1997年(平成9年)に登場しました。
こちらもロングシートとクロスシートに切替できるデュアルシートを備えたL/Cカーです。

5200系
5200系は1988年(昭和63年)に登場しました。
3扉のクロスシート車となっており近鉄では珍しい車両です。

2610系
2610系は1972年(昭和47年)に登場しました。
長距離急行用とした登場し当初はクロスシートでしたが、大阪線の2610系はロングシートに改造されています。

その他一般車両
上記の車両が急行や快速急行で運行されることが多いですが、その他の一般の通勤型車両も上記の車両に増結、もしくは単独で使用されます。

編成
近鉄大阪線の急行は4両編成、6用編成で運行されます。
6両編成でも青山町より東に向かう列車は名張や青山町で2両増解結する列車があります。
快速急行は6両、8両、10両の列車があります。
名張や青山町で増解結する列車が多いです。
近鉄大阪線急行の運行車両の車内
5820系

5820系の車内
5820系の車内はロングシートとクロスシートが切替できるデュアルシートとなっています。
ロングシートやクロスシートの列車ごとの決まりはありません。
クロスシートに設定されているときの車内です。

クロスシートに設定されてる時の車内です。

車両の端部はロングシートで固定となっています。

各車両に優先座席があり、つり革がオレンジになっています。


5820系のお手洗い、トイレ
名張・宇治山田方面の先頭から1両目と4両目にはお手洗い、トイレが設置されています。

大きく扉が開くバリアフリー対応のお手洗いです。

洋式便座でベビーベッドも設置されています。

5800系

5800系の車内
5800系の車内もロングシートとクロスシートが切替できるデュアルシートとなっています。
クロスシートに設定されているときの車内です。

車両端部はロングシートになっていますが、1席ごとにヘッドレストがあります。

優先座席はグレーの座席となっています。
つり革もオレンジとなっておりわかりやすいです。


5800系のお手洗い、トイレ
名張・宇治山田方面の先頭から2両目にはお手洗い、トイレが設置されています。

お手洗いは和式トイレです。

5200系

5200系の車内
5200系の車内はクロスシートです。
座席の向きは転換できます。

優先座席の部分はつり革がオレンジとなっています。

5200系のお手洗い、トイレ
名張・宇治山田方面の先頭から1両目と4両目にはお手洗い、トイレが設置されています。

お手洗いは洋式便座でトイレクリーナーも設置されています。

2610系

2610系の車内
2610系の車内はロングシートとなっています。
お手洗いの前はクロスシートになっています。

優先座席はグレーの座席で、つり革もオレンジです。

2610系のお手洗い、トイレ
名張・宇治山田方面の先頭から2両目にはお手洗い、トイレが設置されています。

お手洗いは和式便座です。
一部の車両では洋式便座に改造されている車両もあります。

その他一般車両

その他の車両は大阪方に増結されている車両はロングシートです。

優先座席の色は車両によってまちまちです。
ブルーやグレーの座席があります。
つり革はオレンジなので判別できます。

近鉄大阪線急行の停車駅や所要時間と運行間隔など
近鉄大阪線急行の停車駅
近鉄大阪線急行の停車駅は次の通りです。
急行
大阪上本町=鶴橋=布施=河内国分=五位堂=大和高田=大和八木=桜井=(各駅停車)=榊原温泉口=伊勢中川=松阪=伊勢市=宇治山田=五十鈴川=朝熊=池の浦=鳥羽
快速急行
大阪上本町=鶴橋=五位堂=大和高田=大和八木=桜井=榛原=室生口大野=赤目口=名張=桔梗が丘=美旗=伊賀神戸=青山町=榊原温泉口=伊勢中川=松阪=伊勢市=宇治山田=五十鈴川=朝熊=池の浦=鳥羽
近鉄大阪線急行の所要時間
所要時間は次の通りです。
所要時間 | |
大阪上本町~大和八木 | 約30~40分 |
大阪上本町~榛原 | 約50分~1時間 |
大阪上本町~名張 | 約1時間10分~1時間20分 |
大阪上本町~松阪 | 約2時間10分~2時間20分 |
大阪上本町~宇治山田 | 約2時間20分~2時間30分 |
近鉄大阪線急行の運行間隔
大阪上本町発は約15~20分間隔で運行しています。
(ラッシュ時は快速急行を含む)
昼間は名張行き、青山町行き、伊勢中川行きまたは五十鈴川行きが1時間に1本ずつ運行します。
ラッシュ時は名張行きもしくは青山町行きが1時間に2本、松阪行きまたは宇治山田行きまたは五十鈴川行きが1時間に2本運行します。
近鉄大阪線急行の運賃、料金等
近鉄大阪線急行は通常の切符やICカードだけで乗車することができます。
運賃 | |
大阪上本町~大和八木 | 570円 |
大阪上本町~榛原 | 840円 |
大阪上本町~名張 | 1,020円 |
大阪上本町~松阪 | 1,590円 |
大阪上本町~宇治山田 | 1,830円 |
近鉄大阪線急行にお得にのるには
近鉄では回数券を販売しています。
回数券には次の種類があります。
10回分の値段で11回乗車できる「パールカード11(普通回数券カード)」
10回の値段で12回乗車できる「オフピークチケット(時差回数券カード)」
10回の値段で14回乗車できる「サンキューチケット(土休日割引回数券「カード)」
オフピークチケットは平日の10時~16時までと土休日ダイヤ実施日に利用できます。
サンキューチケットは860円以内の区間で土休日ダイヤ実施日に利用できます。
オフピークチケットでは約28%割引になります。
自動販売機で発売しています。
近鉄大阪線急行と競合する交通機関の比較
近鉄大阪線急行と同じ区間を運行する交通機関は近鉄特急があります。
大阪難波~名張の交通機関の比較
価格 | 所要時間 | 運行本数 | |
近鉄特急 | 1,940円 | 約55分~1時間 | 15分~30分間隔 |
近鉄急行 | 1,020円 | 約1時間20分~1時間30分 | 15分~20分間隔 |
大阪難波~松阪の交通機関の比較
価格 | 所要時間 | 運行本数 | |
近鉄特急 | 2,930円 | 約1時間30分~1時間40分 | 30分間隔 |
近鉄急行 | 1,590円 | 約2時間20分~2時間30分 | 60分間隔 |
大阪難波~宇治山田の交通機関の比較
価格 | 所要時間 | 運行本数 | |
近鉄特急 | 3,170円 | 約1時間50分~2時間 | 30分間隔 |
近鉄急行 | 1,830円 | 約2時間30分~2時間40分 | 60分間隔 |
交通機関の各区間の解説
近鉄特急
大阪難波~伊勢志摩間の近鉄特急の所要時間は次の通りです。
所要時間 | |
大阪難波~大和八木 | 約30分~40分 |
大阪難波~榛原 | 約40分~50分 |
大阪難波~名張 | 約55分~1時間 |
大阪難波~松阪 | 約1時間30分~1時間40分 |
大阪難波~宇治山田 | 約1時間50分~2時間 |
大阪難波~鳥羽 | 約2時間~2時間10分 |
大阪難波~賢島 | 約2時間30分~2時間40分 |
近鉄特急の停車駅は次の通りです。
大阪難波=大阪上本町=鶴橋=(布施)=〇大和高田=大和八木=〇榛原=名張=(△桔梗が丘)=〇榊原温泉口)=伊勢中川=松阪=伊勢市=宇治山田=五十鈴川=鳥羽=志摩磯部=鵜方=賢島
(〇大和高田、〇榛原、〇榊原温泉口は1時間に1本程度停車、布施は昼間停車、△桔梗が丘は朝の大阪方面と夜の伊勢方面が停車)
運行間隔は8時台~22時台で約20分~40分間隔です。
昼間は大阪難波~賢島、大阪上本町~鳥羽の列車が交互に運転します。
早朝、深夜、ラッシュ時は松阪、名張発着の列車が多いです。
近鉄特急の運賃、料金を含めた価格は次の通りです。
(プレミアム料金、デラックス料金等は含みません)
価格(運賃・料金含む) | |
大阪難波~大和八木 | 1,160円 |
大阪難波~榛原 | 1,760円 |
大阪難波~名張 | 1,940円 |
大阪難波~松阪 | 2,930円 |
大阪難波~宇治山田 | 3,170円 |
大阪難波~鳥羽 | 3,720円 |
大阪難波~賢島 | 3,990円 |
近鉄特急によく乗る場合はネット予約がお得です。
特急料金の10%がポイントでもらえて、貯まったポイントで特急券を購入できます。
実質10%引きになりお得です。
近鉄特急の時刻や所要時間については次のページもご覧ください。
近鉄大阪線急行から乗り換えできる列車
大阪上本町駅
鶴橋駅
近鉄奈良線特急
大和八木駅
名阪特急(ひのとり、アーバンライナー等)、阪伊特急(大阪伊勢志摩間)(しまかぜ、伊勢志摩ライナー、ビスタカー等)
名張駅
名阪特急(ひのとり、アーバンライナー等)、阪伊特急(大阪伊勢志摩間)(しまかぜ、伊勢志摩ライナー、ビスタカー等)
伊勢中川駅
名伊特急(伊勢志摩ライナー、アーバンライナー、ビスタカー等)、阪伊特急(大阪伊勢志摩間)(しまかぜ、等)、近鉄名古屋線急行
松阪駅
伊勢市駅
JR快速「みえ」
近鉄大阪線急行とは
近鉄大阪線の急行は1946年(昭和21年)より運行を開始しました。
1960年代までは急行が長距離輸送を担っており、大阪上本町~宇治山田・近鉄名古屋間の運行が主でした。
停車駅も大阪線内の上本町~伊勢中川間では鶴橋・大和八木、名張、伊賀神戸、佐田(一部、現在の榊原温泉口)のみの停車でした。
その後徐々に停車駅を増やしていき、現在の形に近くなったのが1976年(昭和51年)です。
この時に名阪直通急行は廃止となりました。
1978年(昭和53年)には布施駅にも停車するようになり、この時の停車駅は上本町=鶴橋=布施=大和高田=大和八木=桜井=榛原=(各駅停車)=榊原温泉口=伊勢中川 でした。
以前の急行は快速急行として運転されます。
その後も停車駅の追加が続き、五位堂と河内国分が追加され現在に至ります。
近鉄大阪線急行の関連商品
まとめ
・近鉄大阪線急行は大阪上本町と名張、青山町、宇治山田、五十鈴川を結んでいる
・伊勢中川、五十鈴川発着も1時間に1本程度は運行してしており、伊勢方面に気軽に行ける
・お手洗い、トイレ付きの列車が多い
最後までお読みいただきありがとうございました。